TAT、復興特別予算の海外向けプロモ予算に3億5000万バーツ拠出へ

  • 2005年3月3日
<バンコク発 鈴木次郎> タイ国政府観光庁(TAT)東アジア地区局長のパイサーン・ワンサーイ氏はTATの津波復興の特別予算として海外向けプロモーション、マーケティング予算として3億5000万バーツ(約10億円)を拠出することが決定したことを明らかにした。このうち、8200万バーツ(約2億5000万円)が日本向け予算となる。これはPR活動として、プレス・コンファレンス、プレス向けのFAMツアーの実施、消費者向けのラジオ広告、日本航空(JL)・全日空(NH)の国内線における機内放映等に加え、旅行会社との共同商品造成などの費用を含む。さらに旅行会社の企画担当者向けのツアーを実施する考え。
 この他、プロモーションとしては5月に代々木公園において開催するタイ・フードフェスティバルを在日タイ国大使館と協力するほか、大阪の御堂筋パレード、福岡のどんたく祭りなどにも参画する予定だ。その他、各地の百貨店等においてタイの特別フェアを開催するほか、愛・地球博に置けるタイ・パビリオンでのプーケット復興をアピールする。これについては、タイ国際航空(TG)副社長・セールス&マーケティング担当のワロップ氏も同様に重視する姿勢で、「来場する日本人だけでなく、海外からの旅行者にもアピールする絶好の機会」と捉えているようだ。
 こうした予算の投入は需要の動向について、早急にプーケットを復興することが戦略的にも理にかなうとの判断が働いている。既にグアム、ハワイ等への振替需要があると言われる中、移り気な消費者の心を捉えることに重点を置く考えがあるからだ。年間のタイへの日本人訪問者は110万人から120万人で、そのうち「約40%はプーケットへの訪問者」(ワンサーイ氏)であることから直行便の再開に合わせ、早急な対策を採る。予算的に余裕がある場合は、増加するFIT対策としてインターネットを利用したプロモーションを展開する考えもあるようだ。
 ワンサーイ氏によると、今年のタイへの日本人訪問者数は128万人を掲げる。海外旅行市場全体の成長が期待される今年だが、タイは津波被害と言うハンデを抱えながらも、海外旅行市場の追い風に乗り、目標を達成する強い意思を示した。