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CO、ヒューストンで国際線の新ターミナル供用へ、国際線強化は継続

  • 2006年1月19日
<ヒューストン発 鈴木次郎> コンチネンタル航空(CO)は1月25日から、ヒューストン・ジョージブッシュ国際空港のターミナルEの国際線部分について供用を開始する。これは成田/ヒューストン線をはじめとした国際線が利用を予定しているもの。国際線の強化を進めるCOの重要戦略の一環として、2001年からターミナルEのプロジェクトを進め、既に一部の供用を開始。25日から正式な供用開始となる。ターミナルEはこれまでのターミナルDの約4倍の旅客処理能力で1時間に最大で約4500人の入国審査に対応し、入国管理から手荷物受渡し等の作業が迅速化される。ヒューストン空港は旅客利用で全米第7位。この7年での入国管理の処理量は62%増と、全米での増加量(13%増)と比較して大きな伸びを示しており、国際線に限ると全米で第3位から第4位の空港となっている。

 こうした背景から、国際線から国際線、および国際線から国内線の乗り継ぎなどの利便性と共に、9.11以降の安全性を求められる現状に対応し、全米空港の中でも最新の設備を揃えた。特に、入国については両人差指の指紋採取、および顔のデジタル写真撮影のほか、今後はバイオメトリック・パスポートの導入を予定。入国審査の過程ではアメリカ連邦政府国土安全保障省への情報送信を高速回線の導入で迅速な対応につなげる。また、ターミナルEからCOの国内線が利用するターミナルB、Cへの移動も、空港内を結ぶモノレールでそれぞれ30秒、1分30秒と短時間での移動が可能だ。


▽国際線拡張は成長の鍵

 このほどCOの新会長兼CEOに就任したラリー・ケルナー氏は「国際線の拡張はCOの成長の鍵となる。CO全体の路線のうち、国際線は約40%を占めており、過去10年間において大きく拡張する戦略をとってきた。空港の拡張(による旅客受入れ態勢の増加)は今後の国際線の成長に大きく貢献する」と期待感を示す。コンチネンタル全体としては、大西洋路線が約17%、カリブ・南米路線が13%、アジア・太平洋路線が約8%の路線を展開していることから、今後はこうした国際線の増加に弾みがつくこととなる。既に今年に入り、バハマ/フロリダ、ヒューストン/ケレタロー(メキシコ)の就航を表明しているほか、今年はニューヨーク/ブリストル、ベルファースト、ストックホルム、ベルリン、ハンブルグなどの就航を予定するなど国際線の路線増には積極的な姿勢にある。

 ケルナー氏は今後の戦略等について、国際線や国内線の動向についても言及。特に航空業界が厳しい状況の中、デルタ航空(DL)が国内線の値下げを断行したことについては「市場の求める声に対応しなければならない」としたが、同時に「(原油高騰などで)前年も厳しい状況にあったが、こうした施策も経営的に影響がある」と苦しい一面を吐露する。ただし、今回の空港施設の拡張は国際線からの乗り継ぎ需要の増加というハブ空港の持つ利点も強調すると共に、先ごろスカイチームに加盟したことで路線の増加が図れていることにも満足感を示す。

 日本をはじめとするアジア地域については、昨年の12月21日から名古屋/ホノルル線の運航を開始したことを言及。ただし、これ以外の米国本土路線などの就航に関して、特に中部についてはしばらく、需要を見守る考え。東京/ホノルル線の運航再開についても同様の考えで、利益水準をいかに保つかが大きな鍵となるようだ。

 また、中国線についても意欲的。既にアメリカ運輸省(DOT)には米系の数社が就航の申請をしており、COも2005年にニューヨーク/北京線、2006年にニューアーク/上海線などを視野に入れる。北京線についてはDOTの認可は春先になるとの見通しを示し、認可後の約90日で運航を開始できるように準備を進めていることも明らかにした。