各国のSARSへの対応、および鳥インフルエンザの状況

  • 2004年1月31日
 国際観光振興機構(JNTO)は中国、香港、台湾などアジア各国におけるSARS、および鳥インフルエンザの対応状況を明らかにした。状況は下記の通り。

▽SARS
 中国でSARS感染が3名だが、全員既に退院している。駅や空港では体温チェックを実施しており、マスコミは事実報道に徹しており、特に目立った動きはない。ただし、SARS対策として手洗いやうがいが奨励されている。香港では政府が病院間の連絡体制を強化、手洗いやうがいの奨励、検問所の人員増、中国本土からの旅行者に対する体温など予防体制を拡充。台湾では1月19日から、広東省を訪問した台湾人、外国人を対象に帰国後3日後に発熱の追跡調査として健康状態をチェックするなど予防策を実施している。各国とも報道機関を含め、冷静な対応に終始しており、マスク着用者は極めて稀であることが実情のようだ。
 JNTOではSARS感染が増加するような場合には、各国に設置する事務所から英語、中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語などで各国別の対応状況を公開し、訪日旅行者に対する安全情報を掲載するとしている。

▽鳥インフルエンザ
 韓国では仁川空港で鳥インフルエンザの発生する地方からの訪問者に対する注意が喚起されているほか、北京では拡散の防止を目的に鳥の流通を止めている。また、香港では農場に近づかないように注意するほか、鶏肉の調理には十分に火を通すよう広報活動を展開する。また、タイでは鳥を1000万羽処分したことで、各国の報道が大きくなっているという。

 なお、各機関とも各種情報の提供を強化している。厚生労働省では鳥インフルエンザに関しての通達および旅行での注意点をQ&Aに掲載するほか、日本貿易振興機構(JETRO)でも関連情報をまとめている。中国国家観光局はSARS情報、鳥インフルエンザの中国国内での動きを「中国トラベルニュース」で紹介する。