ANA・JAL、26年度下期に国際線供給拡大 欧州・アジア強化、羽田―岡山ではダイヤ協調
ANAグループとJALグループは8月18日、2026年度下期の航空輸送事業計画をそれぞれ発表した。国際線ではANAがアジアや欧州を中心に供給を拡大する一方、JALは欧州直行便の提供座席数を前年同期から16%増やす。両社とも旺盛な訪日需要を取り込みながらネットワークを拡充する姿勢を鮮明にしており、日本発の海外旅行市場にとっても航空座席の選択肢拡大につながる。一方、国内線では両社が羽田―岡山線の運航ダイヤを調整するなど、ネットワーク維持と収益性を意識した新たな動きも出てきた。
ANA、ムンバイや東南アジアで供給拡大 ミラノも毎日運航へ
ANAの下期国際線の運航便数は前年同期比104%となる。成田―ムンバイ線を9月1日から週3往復から毎日運航とするほか、成田―バンコク線では10月25日からNH807/808便を毎日運航する。成田―シンガポール線もNH803/804便を9月1日から毎日運航。成田―パース線は10月25日から週3往復を毎日運航に拡大する。羽田―ミラノ線も2026年度下期中に現在の週3往復から毎日運航へ増便する予定だ。
とりわけインド、東南アジア、豪州方面で成田発着便の供給が厚くなることは、訪日需要だけでなく日本発の業務渡航やFITの商品造成でも選択肢の拡大につながる。欧州では冬季の需要変動に合わせて機材を調整しつつ、ミラノ線をデイリー化する。ロンドン、パリ、フランクフルト、ミュンヘンは毎日運航を維持し、ウィーン、ストックホルム、イスタンブールなどは週3往復を設定する。
機内商品でも動きがある。ANAは新ビジネスクラス「THE Room FX」に加え、新しいプレミアムエコノミー、エコノミークラスを装備したボーイング787-9型機を2026年11月以降に受領する。投入路線と時期は今後発表する。当初の2026年度事業計画では同機の受領を「8月より」としていたため、今回の計画では導入時期が後ろ倒しとなった形だ。
グループLCCのPeachも国際線の運航便数を前年同期比109%に拡大する。9月20日に開設する成田―仁川線を下期も毎日運航するほか、関西―台北、成田―台北などでは需要に合わせて便数を設定する。
JAL、欧州座席を16%拡大 ヘルシンキ毎日、A350-1000も拡大
JALは欧州直行便を重点的に強化する。2026年度下期の欧州方面の提供座席数は前年同期比16%増。羽田―ヘルシンキ線を9月以降毎日運航とするほか、エアバスA350-1000型機の投入を羽田―ロンドン、パリ線で拡大する。ロンドン線JL41/42便の提供座席数は前年同期比128%、ヘルシンキ線は同194%となる。
一方、中東情勢を受け2月末から運航を見合わせている羽田―ドーハ線は、2026年度下期も期間運休する。中東・アフリカ方面についてはカタール航空運航便とのコードシェアで対応する。欧州では自社直行便の供給を増やす一方、中東方面は提携便を活用する形でネットワークを補完する。
アジアでは成田―上海(浦東)線を冬期に復便し、上海線の日本側発着地を羽田、成田、関西の3空港とする。春節を中心とする期間には羽田―香港線も増便する。また、JTAが2月に開設した那覇―台北(桃園)線は、既存の朝便に夜便を追加して1日2往復とする。同路線は就航後の月次利用率が8割を超えているという。
国内線は羽田―岡山で両社がダイヤ調整
国内線では、ANAとJALが羽田―岡山線で運航ダイヤを調整する点が注目される。従来、両社の便が近い時間帯に出発していた部分を見直し、利用者が選択できる時間帯を広げる。JALは、国土交通省の「国内航空のあり方に関する有識者会議」で国内航空ネットワーク維持のための方策が提言されたことを踏まえた「路線協調」の一環と位置付けている。
今後についても便数調整や他社とのコードシェアを含めた路線協調を選択肢として関係者と協議するとしている。

