JAL、旅客数減でも1Q売上過去最高 航空部門赤字も連結黒字確保

 日本航空(JAL)グループの2027年3月期第1四半期決算は、国際線、国内線ともに旅客数が前年同期を下回る一方、売上収益が第1四半期として過去最高を更新した。燃油価格の急騰によってフルサービスキャリア(FSC)事業とLCC事業はいずれも赤字となったが、マイル・金融などの非航空事業が利益を確保した。

 売上収益は前年同期比11.2%増の5237億円だった。国際旅客や貨物の旺盛な需要を捉えた価格設定に加え、国内旅客でも単価が上昇した。

 一方、営業費用は18.7%増の5168億円に膨らんだ。なかでも燃油費は58.4%増の1488億円と、前年同期から548億円増加した。この結果、EBITは72.1%減の127億円、純利益は80.2%減の53億円となった。大幅な減益ではあるものの、急激な燃油高と円安という逆風下で連結黒字を維持した。

国際・国内とも旅客数減、増収は単価がけん引

 旅客事業では、利用者数の増加よりも単価上昇が増収を支えた構図が鮮明になった。

 国際線の有償旅客数は前年同期比0.4%減の194万7000人、輸送実績を示すRPKは2.1%減だった。それでも旅客収入は14.4%増の2116億円となった。旅客1人当たりの単価は14.9%上昇し、イールドは16.9%、座席供給量当たりの収入を示すユニットレベニューも15.3%上昇した。

 燃油価格の上昇に対し、機動的な運賃設定や燃油サーチャージ制度の改定によって価格転嫁を進めたことが増収につながった。

 国内線も同様だ。有償旅客数が2.7%減少し、RPKも2.3%減となった一方、旅客収入は3.6%増の1390億円となった。タイムセールの適正化など、レベニューマネジメントの徹底によって単価は6.5%上昇。国際線、国内線とも、輸送量の拡大ではなく、限られた供給の中で収益性を高める戦略が数字に表れた。

FSCとLCCは赤字、マイル・金融は増益

 セグメント別では、航空事業と非航空事業の収益性の違いが際立った。

 FSC事業の売上収益は13.8%増の4202億円となった。国際・国内旅客の単価上昇や貨物収入の拡大で増収を確保したものの、燃油費の増加を吸収し切れず、EBITは8億円の赤字となった。

 LCC事業も売上収益は6.7%増の324億円だったが、EBITは1億円の赤字。ZIPAIRは全機への高速インターネット「Starlink」搭載や柔軟な価格戦略によって増収を確保した。SPRING JAPANは供給減となったものの、北京、上海線などの需給引き締まりを捉え、旅客単価を48.5%引き上げた。

 これに対し、マイル/金融・コマース事業は売上収益が13.3%増の563億円、EBITが17.6%増の120億円と増収増益だった。JALカードの決済額増加や、航空以外の提携先を通じたマイル発行収入が伸びた。

 航空輸送以外の事業が、燃油や為替の変動に左右される航空事業を補完し、グループ全体の黒字を支えた構図がうかがえる。同社は、コロナ禍以降に進めてきた事業ポートフォリオ変革が、外部環境の変動に対する収益耐性につながったとの見方を示している。

国際貨物は56%増収、通期予想は据え置き

 貨物事業の伸びも大きかった。国際貨物はアジア―北米間の需要を取り込んだほか、カーゴルクス航空との連携によって貨物機ネットワークを拡充。国際貨物収入は56.4%増となった。

 国際貨物の輸送重量は11.5%増だった一方、重量単価は40.3%上昇しており、旅客事業と同様に、数量と単価の双方が増収に寄与した。国際旅客、国際貨物、非航空事業という複数の収益源を持つことが、燃油高の影響を緩和した。

 なお、JALは2027年3月期通期の業績予想を据え置いた。売上収益は2兆950億円、EBITは1800億円、純利益は1100億円を見込む。年間配当予想も1株当たり96円から変更していない。