海と多文化のダーバン、絶景のケープタウンへ 現地で見た南アフリカ観光の多彩な魅力(前編)
リゾートエリアのウムシュランガ、食から感じる多文化都市
滞在中に足を運んだのが、ダーバン中心部から北側に位置するウムシュランガ地区だ。高級ホテルやレストランが集まるリゾートエリアで、海岸沿いには遊歩道が延びる。近代的な建物が並ぶ一方、インド洋を身近に感じられる開放的な雰囲気があり、ダーバン中心部とはまた違った街の表情を見せる。
このエリアを代表するホテルの一つが「The Oyster Box」。インド洋に面する歴史あるラグジュアリーホテルで、赤と白を基調とした外観やクラシカルな館内と、南国リゾートらしい開放感が共存する。海を望むロケーションに加え、食もホテルの魅力の一つだ。今回の夕食では、ホテル名物のカレービュッフェを体験。インド系住民が多く暮らし、独自のカレー文化が根付くダーバンらしさを、ラグジュアリーホテルでも味わえるのが興味深かった。宿泊だけでなく、食事やアフタヌーンティーを目的に訪れることもできる。
別日に夕食で訪れた「The Chef's Table」は、The Oyster Boxとは対照的にモダンなダイニングだ。オープンキッチンを備えた洗練された空間で料理を楽しむことができ、海洋リゾートというダーバンのイメージとはまた異なる、現代的な一面を感じさせた。少人数のFITや高付加価値層の食事だけでなく、ビジネス客の会食などにも使いやすそうだ。
モダンダイニング「The Chef's Table」の店内(左)と、ドライエイジド・ビーフタルタル(右上)、薪火焼きビーフフィレ(右下)。洗練された空間と創作料理が、ダーバンの現代的な魅力を感じさせる。
こうした食の背景にあるのが、ダーバンに根付くインド系文化。観光局担当者が代表的なローカルフードとして紹介したのが「バニーチャウ」だ。パンをくり抜き、その中にカレーを詰めたダーバンの名物料理で、街の多文化的な歴史を食から感じられる。The Oyster Boxのカレービュッフェから庶民的なバニーチャウ、モダンダイニングまで、異なるスタイルの食を通じて街の多様性に触れられることもダーバンの面白さである。
観光以外ではスポーツとの結び付きも強い。ダーバンは2010年FIFAワールドカップの開催都市の一つで、現在も当時建設されたモーゼス・マヒダ・スタジアムが街のランドマークとなっている。ラグビーやクリケット、サーフィンなども盛んで、ダーバンと内陸部のピーターマリッツバーグを結ぶ「コムラッズマラソン」は世界的に知られるウルトラマラソンだ。
さらに港湾都市としてのビジネス需要に加え、国際会議や大型イベントの開催地としての機能も備える。ビーチリゾートだけでなく、多文化、スポーツ、MICE、サファリなど、旅行目的に応じてさまざまな観光素材を組み合わせられるのもダーバンの特徴だ。



