海外は欧州などが牽引、韓国は供給逼迫で鈍化 HISグループ10月実績

  • 2025年12月2日

 HISグループの2025年10月旅行取扱高は、日本国内事業が331億5431万円で前年同月比107.1%、海外現地事業が265億4788万円で同102.1%となった。欧州方面の添乗員同行商品やハワイの回復などが牽引する一方、韓国を中心とするアジアは供給逼迫で弱含みだった。国内は万博の駆け込み需要やチャーター活用が押し上げ要因となった。

 日本国内における旅行区分別では、海外旅行254億3555万円で前年同月比106.1%、国内旅行57億4264万円で同108.8%、訪日旅行19億7611万円で同116.5%となり、合計は同107.1%だった。商品別では企画旅行が116.5%と伸び、販売チャネルは店舗・オンラインともに109.3%でバランス良く伸長した。方面別ではハワイ・ミクロネシア122.6%、欧州・中近東・アフリカ113.4%が堅調、アジアは95.0%にとどまった。

 海外旅行は添乗員同行パッケージの好調が欧州・中近東・アフリカの伸びに寄与し、ハワイは60代のシェア拡大、ミクロネシアはファミリー需要で回復が続いた。一方、韓国は大型連休期の座席・ホテル混雑が響きアジア全体を押し下げた。

 国内旅行は北海道のスキー・流氷商材の発売開始に加え、小牧~稚内や仙台~宮古島などのチャーター運航が奏功し、沖縄方面は117%と牽引した。大阪・関西万博の閉幕に向けた駆け込みで、関西行きパッケージと関西発の日帰りバスが140%と高伸長した。訪日旅行は欧州・北米からの受客が堅調で、北米は受客本数が過去最高。札幌近郊や関西圏でのバスツアーが新規需要の開拓につながった。

 海外現地事業は合計で102.1%。内訳はインバウンド149億2225万円で109.2%、アウトバウンド116億2562万円で94.2%となった。メキシコではメキシコシティ観光局のレップ事業を受託し、マレーシアの政府系会議や豪州エアーズロック周遊、イタリアの特別聖年関連、カナダ主要都市向け商品などが下支えした。一方、アウトバウンドはシンガポール発の日本・東北周遊やフランス発の長期滞在型が堅調、カナダ発はカリブ海・メキシコが需要を取り込んだが、トルコ法人ではアウトバウンド縮小で同11%まで落ち込んだ。