南アフリカ観光局、対面イベントで送客拡大狙う 日本市場の回復後押し

  • 2025年9月24日
ワークショップ(東京会場)の様子

 南アフリカ観光局は9月、東京と大阪で旅行業界関係者向けのトレードワークショップおよびレセプションを開催した。訪問者数の回復傾向が続く中、日本市場でのさらなる販促強化として、新たなブランドキャンペーンの紹介や同国における観光業の重要性を発信した。

 同局トレードリレーションシップ・マネージャーの近藤由佳氏は、2024年の観光業のGDP貢献率が8.9%に達し、約160万人の雇用を創出したと述べ、2030年までには渡航者数1560万人、雇用220万人を目指すと明言した。また、日本からの渡航者は2024年1~7月の期間で前年比6.7%増の1万554人に達し、着実に回復基調にあると報告した。

 さらに、2025年から展開した新たなグローバルブランドキャンペーン「South Africa Awaits – Come Find Your Joy!」にも触れ、今後日本市場用にローカライズした形でのウェブ展開やSNS広告、屋外広告などを通じ、より多くの旅行者への認知拡大を狙うとして、旅行会社や航空会社との連携強化を呼びかけた。

 続いて登壇した南アフリカ共和国大使館のアナリーズ・シュローダー駐日臨時代理大使は、観光を経済成長の鍵と位置づけ、「観光と持続可能な変革」をテーマとしたツーリズム月間の取り組みを紹介。2025年のG20議長国として観光分野における持続可能な開発を推進すると述べ、日本との観光連携の重要性を強調。今年の日本からの渡航者数についても「年末までに大幅に増加することが期待される」と言及した。

 また、シュローダー氏は、同国の取り組みとして失業中の若年層の観光分野での就労支援を推進していることも紹介。日本間では直行便の不在という課題はあるものの、観光局と連携して交流拡大を図りたいと述べた。自然遺産や都市型観光資源の豊富さに加え、料理やワイン、サファリなど多彩な体験価値がそろう南アフリカの魅力に触れながら、日本からの更なる訪問を呼びかけた。

 日本旅行業協会(JATA)国際関係部長の谷村浩志部長も挨拶に立ち、7月の日本の海外旅行市場が前年比約15%増と回復基調にあることに触れながら、南アフリカについては「日本からの旅行者は、まだ一部の訪問に限られる。今回のワークショップが、新たな商品造成・販売につながる機会となれば」と期待感を示した。