鉄橋のロッジと野生の息吹、南アフリカで体験した感動のサファリと絶景ルート
アフリカ最大の観光トレードショー「Africa’s Travel Indaba 2025」の閉幕後、参加者の一部は南アフリカ東部の自然や文化を体験するポストツアーに参加した。クルーガー国立公園内に位置する唯一無二のロッジ滞在や、ライオンの群れと対峙するサファリ体験、そして名勝が連なるパノラマルートの視察を通じ、南アフリカ観光のポテンシャルをより深く味わうことができた。
息をのむほどの接近と記憶に残る滞在、鉄橋上の客室で過ごす贅沢なサファリ体験
ポストツアーで宿泊したのは、クルーガー国立公園内にあるユニークな宿泊施設「Kruger Shalati – The Train on the Bridge」(クルーガー・シャラティ)。その名の通り、サビ川にかかる旧鉄道橋の上に列車型の客室を並べた、唯一無二のロッジだ。橋の上には「キャリッジ・スイート」が24室、隣接する庭園側には「ブリッジ・ハウス・スイート」が7室用意されており、それぞれが1920年代の鉄道サファリを彷彿とさせる趣と、モダンで洗練されたデザインを併せ持つ。
宿泊料金にはすべての食事とドリンク、1日2回のゲームドライブが含まれており、プールやショップ、レストランなどの設備も充実。中でも橋の上に張り出した展望デッキのプールは、運が良ければ眼下に動物たちを望む"特等席"だ。今回滞在した「キャリッジ・スイート」は実際の鉄道車両を改装して造られており、部屋の窓からサビ川を見下ろすことができる。滞在中にはゾウの群れが現れ、歩き回る様子を客室から眺めることができ、大興奮の贅沢な時間が橋の上の静かな空間に流れていた。
ゲームドライブでは、「ビッグファイブ(ライオン・ゾウ・バッファロー・ヒョウ・サイ)」すべての観察に成功。中でもライオンの群れがサファリカーのすぐ横を悠然と通過していった場面は、緊張と興奮が入り混じる圧巻の体験だった。希望を伝えれば、それに応じてルートを調整してくれる点もありがたい。実際に、鳥類を見たいという難しいリクエストに対しても、ガイドはグレイヘロン(アオサギ)やハンマーコップの姿を捉えられるスポットへと案内してくれた。
公園内に位置するクルーガー・シャラティでは、国立公園のゲートの開閉時間に縛られることなくサファリに出かけることが可能に。これにより、動物たちの"昼と夜の顔"の違いを観察することができた。例えば、昼間はどこか愛らしい印象のゾウも、真っ暗闇の中でふいに姿を現すと、その巨体が放つ威圧感に思わず身がすくんだ。こうした自然界のリアルな表情は、明るい時間帯のサファリだけでは得られない緊張感と感動をもたらしてくれた。
さらにサファリの最中には「サンダウナー」と呼ばれる特別な演出も。日没のタイミングにあわせて、車を降りて野外でカクテルを楽しむというものだが、その場所はまさに昼間にさまざまな動物を見たエリアのすぐ近く。地平線に沈む太陽を背景に、自然との一体感と軽いスリルが共存するひとときは、旅の中でも特に印象深い体験となった。