パスポートランキング最新発表、日本は2位を維持、米英は順位下落

2025年版「ヘンリー・パスポート・インデックス」が22日に発表され、アジア諸国の渡航自由度の高さが浮き彫りとなった。発表によると、シンガポールが193カ国・地域へビザなしで入国可能で、世界最強のパスポートとして首位を維持。日本と韓国はともに190カ国にビザなし渡航が可能で2位となり、上位を占めた。
3位には、デンマークやドイツ、スペインなどEU加盟国を含む7カ国が並び、いずれも189カ国へのビザなし渡航を実現している。続けて、オーストリアやオランダなどは188カ国で4位につけており、欧州全体の自由度の高さが目立っている。
一方、アフガニスタンは25カ国となり最下位にとどまっている。最上位と最下位では168カ国もの差があり、パスポートの格差が鮮明となった。
注目すべきは、かつてトップランクに位置していた英国と米国の下落傾向。英国は186カ国で6位、米国は182カ国で10位となっており、20年の歴史の中で初めて米国がトップ10から脱落する可能性が指摘されている。
ランキングの中で最も順位を伸ばしたのはインドで、59カ国にビザなし渡航可能となり、85位から77位へと上昇した。サウジアラビアも91カ国へのアクセスを得て、4つ順位を上げて54位となった。
長期的な視点では、過去10年で世界のパスポート保有者がビザなしで渡航できる国の平均数は58カ国から109カ国へと増加しており、移動の自由が全体として広がっている。中でもUAEは42位から8位へと順位を急上昇させ、中国も94位から60位まで上昇している。
また、IATAのデータによれば、2025年初頭の航空需要は全体で5.8%増加し、アジア太平洋地域が9.5%と最も大きな伸びを記録した。パスポートの強化と航空需要の増加が相乗効果をもたらしており、同地域が今後も国際旅行市場を牽引する見通し。
一方、米国や英国などは、入国政策の制限傾向とともにモビリティ面での地位を低下させているとの見方を示した。
順位 | 国名 | ビザなし渡航可能国数 |
---|---|---|
1 | シンガポール | 193 |
2 | 日本、韓国 | 190 |
3 | デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、スペイン | 189 |
4 | オーストリア、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン | 188 |
5 | ギリシャ、ニュージーランド、スイス | 187 |
6 | 英国 | 186 |
7 | オーストラリア、チェコ、ハンガリー、マルタ、ポーランド | 185 |
8 | カナダ、エストニア、アラブ首長国連邦 | 184 |
9 | クロアチア、ラトビア、スロバキア、スロベニア | 183 |
10 | アイスランド、リトアニア、米国 | 182 |