IHG、日本のホテル数が5年半で1.7倍、万博開催の大阪・関西にも期待大

  • 2025年7月14日

 IHGホテルズ&リゾーツはさきごろ大阪・関西万博の英国パビリオンでメディアイベントを開催し、同社マネージングディレクターとして日本とマイクロネシア地区を担当しIHG・ANA・ホテルズグループジャパンのCEOも務めるアビジェイ・サンディリア氏が日本市場への意欲を語った。本社を英国ウィンザーに置くIHGは、今回の万博で英国パビリオンのサポーティングパートナーとなっている。

アビジェイ・サンディリア氏

 IHGは3月31日現在で世界100ヶ国超に20ブランド6668軒を展開し、さらに2265軒の開業も準備中と積極的に展開。日本でもグローバル展開する超大手ホテル企業のなかで第2位のポジションにつけているが、この立場にも甘んじずに首位の奪取を目標に掲げているところ。日本での施設数も開業済みが54軒、準備中が17軒となっており、2019年時点では開業済みが32軒であったところから2020年以降の5年半で1.7倍となっている点もこの目標達成に向けた精力的な取り組みの結果だ。

 特に力が入っているのが関西・近畿エリアで、大阪だけでも現在7ブランドの10軒を展開中だ。サンディリア氏は「IHGは大阪で最大級のホテル企業であり、IHGにとっても大阪は国内で最も多くのブランドと最も多くのホテルを構える土地」と説明し、この5年程度の間だけでもvocoとホリデイ・イン・エクスプレス、ガーナー、ヴィニェット・コレクションが新たに開業していることを紹介。

 特にヴィニェット・コレクションは、リーガロイヤルホテル大阪が大規模改装を経てIHGに加盟したもので、「歴史あるリーガロイヤルホテル大阪とのパートナーシップを締結できたことをこの上なく誇りに思っている」と胸を張った。

ヴィニェット・コレクションの1軒となったリーガロイヤルホテル大阪。メディアイベント参加者は同ホテルを含め大阪にある5ブランドのホテルも視察した

 サンディリア氏は大阪や関西の持つポテンシャルについて、大阪が日本第二の都市であるだけでなく「文化、観光、商業の重要なハブ」であるとし、その魅力が大阪・関西万博によって世界に広く発信されると期待。そして、「数々の新ホテルやこれから誕生するであろうIR施設とともに、大阪は今後数十年にわたってさらに目を見張るような都市へと成長していくと確信している」と強調した。

 関西圏ではほかにも、京都で2024年にシックスセンシズが開業したほか今年に入ってホリデイ・インもオープン。今年11月には国内4軒目となるガーナーホテルも四条烏丸に開業予定で、リージェントホテルも2028年の開業に向けて建設が始まっている。

 さらにサンディリア氏は、日本全体についても「おそらく世界でも最も注目されているデスティネーション」であるとし、IHGとしてもそれを原動力として成長し、また1.45億人以上の会員数を誇るロイヤルティプログラムIHGワンなども活用して“2030年訪日外客数6000万人”の目標達成に貢献していきたいと表明。今回の英国パビリオンのサポートもこの意欲の表れであるとした。