シアトル観光局、来日ミッションを通じ日本市場再活性化に意欲

シアトル観光局、ワシントン州観光局、シアトル港湾局、アラスカ航空の幹部役員らはこのほど、5年ぶりとなる業界向けセールスミッションの開催に向け来日し、旅行会社らに最新情報を提供した。
昨年にアラスカ航空グループとなったハワイアン航空では、5月13日より東京(成田)〜シアトル線を新規就航する。同路線には既に他社も複数就航するなか、ハワイアン航空日本支社長の坂口暢氏は、教育旅行などの需要拡大を見込み、グループ対応に強みを持つ機材で市場開拓を進める方針を示した。また、これまで同社では主にレジャー市場に強みを持つ旅行会社との関係が深かったものの、シアトルが米国へのゲートウェイとして業務渡航需要も見込めることから、新たな旅行会社へもアプローチを進めているという。
シアトル観光局らは、これを好機と捉え日本市場への取り組みを強化。新路線による日本人旅行者の増加に期待を寄せており、シアトルをゲートウェイとして活用することで、ワシントン州全体への広域誘客につなげたい考え。アラスカ航空との連携も進め、地方都市への乗継利便性を強調した。
空港面では、シアトル・タコマ国際空港(SEA)の利便性向上施策として、長時間の保安検査待機を回避できる「スポットセーバー」や、クルーズ客の荷物を自動的に目的地まで運ぶ「ポートバレー」など独自サービスを紹介。来年のFIFAワールドカップ開催に向けた空港再開発も進行しており、新たな店舗などを整備中だという。
観光動向については、現地ではローカル体験を求める旅行者が増加しているとのこと。食を例とすれば、シェフや生産者との交流といった体験が見られるという。また、海外旅行市場においては、現地コストの上昇が懸念されるものの、緑豊かな公園などの無料で楽しめるスポットや、リーズナブルな飲食体験、安価なフェリーによるベインブリッジ島観光など多様な提案が可能と強調した。
シアトル観光局によると、2024年のシアトルへの日本人観光客数は約3万5000人で、イチロー選手が活躍していた頃がピークで年間約10万人を記録していたという。今年8月にはイチロー選手の米野球殿堂入り関連イベントなどの開催も予定しており、「今年中の回復は難しいだろうが、確実に以前の水準へ戻っていくだろう」とコメントした。