エクスペディア調査、スポーツツーリズムが市場牽引 日本人の支出は平均24万円超

エクスペディア・グループは9日、世界8カ国を対象に実施した調査結果を発表し、スポーツツーリズムの拡大が旅行市場に大きな変化をもたらしていることを明らかにした。スポーツイベントを目的に海外に渡航する若年層が増加しており、宿泊や消費の波及効果が開催地以外にも及んでいるという。
調査によると、スポーツイベントを目的とした旅行者の44%が海外に渡航しており、16〜34歳の若年層ではその割合が56%に達する。特にカナダ、ドイツ、フランスの旅行者においては国際スポーツ観戦への意欲が高く、新たなの海外市場開拓や若年層向けのアプローチの好機とみられる。
また、イベント開催地のみならず周辺地域への旅行者流入も顕著で、宿泊を伴う旅行者の約8割が滞在地以外の目的地を訪れている。あまり知られていないエリアへの滞在も含まれ、広範囲にわたる経済効果が確認された。
支出面では、スポーツイベントを目的とした旅行者の平均消費額が1回あたり約22万5000円に上る。航空券や宿泊費のほか、飲食・ショッピングなどで約5万5000円の追加支出があるという。
日本人旅行者の場合は、1回の観戦旅行で平均24万1000円を支出しており、今後も1年以内にスポーツ旅行を計画している割合が78%に達した。観戦対象としては野球が最も人気で、次いでサッカー、ゴルフが続いた
発表によると、スポーツツーリズムは現在、世界の観光支出の約10%を占め、2032年までに195兆円規模に達するとの見通し。今後開催されるFIFAワールドカップやオリンピックなど大型イベントを見据え、同社では「データ分析を活用したダイナミック・プライシング、ターゲット広告、スポーツファンの多様なニーズに応える包括的な旅行パッケージの開発などを通じて、パートナー企業が高需要期に収益を最大化し、スポーツツーリズム市場の成長を取り込むことを支援していく」という。