福利厚生充実で人材難を克服へ、IHGが業界リードに意欲

  • 2025年2月20日

 旅行観光産業で人手不足が深刻化するなか、IHGホテルズ&リゾーツはこのほど新たに福利厚生や人材育成などの施策を包括的にパッケージ化した新プログラム「マイベネフィット」を日本で開始することを発表した。

アビジェイ・サンディリア氏

 IHGでは現在、数年以内に施設数、客室数を倍増する目標を掲げており、今回のプログラムでは優秀な人材の確保と離職の防止をめざす。すでにオーストラリアとニュージーランドで先駆けて導入済みだが、同社日本&マイクロネシアマネージングディレクター兼IHG・ANA・ホテルズグループジャパンCEOのアビジェイ・サンディリア氏は日本での展開にあたって実際の従業員の要望や他社の現況を調査するなどして日本市場のニーズに合致した「説得力ある魅力的なプログラム」を構築できたと自信を示した。

 マイベネフィットは福利厚生や人材育成、社会貢献の分野で既存施策と新たな施策をまとめており、具体的には誕生日の休暇を全施設で新たに導入するほか、年間休日数も120日を目標に設定。年間休日120日については、今後開業する施設では既定とするが既存施設では調整を要するため実現をめざす時期などの目標は設けずオプションの扱いとなるという。

 また人材育成ではグローバルで提供する教育プログラムのIHGユニバーシティや、優秀で意欲のある社員の総支配人への道のりを支援するJourney to GM、女性リーダー層を育成するRISEプロジェクトなどを提供。このうちJourney to GMは2021年に始めたものでこれまでに19人が参加して7人が総支配人に就任した。さらに、国内外のグループホテルに短期間または長期間所属して他のホテルや職種を経験できる異動オプションも新設した。

 サンディリア氏は、マイベネフィットの意義について「サービス業界全体を変化させたいと思っている。いち早く行動したい」としたほか、「日本市場で事業を60年続けてきたが、これからも存続し続けていくためにはより魅力的で選ばれる雇用主であるべき」などと意欲を語った。