西武・プリンスホテルズが賃上げ—新卒初任給31万円、外国籍社員手当増額も
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西武・プリンスホテルズワールドワイドは、ホテル業界における競争力強化と長期的な成長を見据え、2025年度より社員の処遇を大幅に改善する報酬制度改定を実施する。新卒初任給は総合職で最大31万円、高校卒でも最大25万7100円に引き上げられ、さらに新入社員には西武ホールディングスの株式が給付される仕組みを導入する。また、全社員を対象に平均5.2%の賃上げを実施するほか、新たな資格手当(月額最大5万円)も導入し、外国籍社員に対する勤務手当も1万円増額する。
同社は「日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーン」を掲げ、国内外での成長を支える「人財力」の強化を進めている。特に、社員の「働きがい」と「働きやすさ」を重視した施策を展開し、待遇改善に加え、キャリアアップの機会を提供する。具体的には、若手社員を海外ホテルへ派遣する研修制度や、社員食堂を1年間無料で利用できる制度など、人材の育成と職場環境の改善にも取り組む。
また、退職後10年以内であれば再雇用を可能とする「カムバック制度」を運用し、経験者が再び活躍できる環境も整えている。
訪日観光市場の成長を背景に、ホテル業界では優秀な人材の確保が急務となるなかで、同社は報酬制度改定を通じ、魅力的な職場環境を提供し、グローバルホテルチェーンとしての競争力を高めていく方針だ。