スポーツ文化ツーリズムシンポで観光・文化・スポ庁が連携協定-武道ツーリズム旅行会社の事例紹介も
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スポーツ文化ツーリズムシンポジウムではスポーツ文化ツーリズムアワード2024の表彰式を開催。本賞3団体・特別賞4団体の7件の受賞者が登壇した。なお、受賞団体の詳細は3ページ目を参照のこと。
その後、これまでの受賞者のうち、第3種旅行業のAgeshio JAPANと名古屋観光コンベンションビューローがそれぞれの取り組み事例を紹介した。
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Ageshio JAPANは沖縄空手に特化した旅行会社で、2020年に「世界でただ一つ!空手発祥地“沖縄”の空手ツーリズム事業」として武道ツーリズム賞を受賞している。
同社では欧米豪の空手道場・団体などを中心とした、海外の空手に興味がある層をターゲットにツアーを実施。沖縄の場合は老若男女問わず空手を体験しており、訪日客は例えば沖縄の老人から長生きの秘訣を学ぶなど、空手の稽古だけでなく、沖縄の日常生活をはじめとした文化を体験できる。
国内営業部部長の松村隆之氏は「武道はお金をもらってやるものではない、商売は非常識という意見がある」という、武道ツーリズム全体にある課題を改めて指摘。空手の指導者がなかなか金銭を受け取ってくれないなか、旅行会社が旅行者の病気対応などを含めて総合的にサポートする「旅行サービス」として提案することで、対価を取りやすくしたことを説明した。
また、同社ではコロナ禍の訪日客減に際し、オンラインでの空手セミナーを開始したことを説明。現在は世界の空手市場が1億3000万人といわれるなか「0.01%しかリーチできていない」ことから、「オンラインとリアルの旅行を掛け合わせてマーケットが拡大するのでは」という考えのもと、旅行サイクルのDX化に取り組んでいるところだ。
具体的にはタビマエ・アトの満足度の向上や市場拡大につなげようと、引き続きオンラインプログラムを提供。スポーツ庁の「スポーツツーリズムコンテンツ創出事業」としてオンライン演武会も開催した。今年6月にはオンライン道場システムをローンチする予定だという。
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一方、名古屋観光コンベンションビューローは2021年に「ロゲイニングinなごや」で「新しい観光賞」を受賞。ロゲイニングとは設定されたチェックポイントを時間内で回り、いかに多く得点を獲得するかを競う、アウトドアナビゲーションスポーツで、子供から大人まで楽しめる。
2018年から開始した「ロゲイニングinなごや」はコロナ禍も参加者がバラバラにチェックポイントを回るため3密を割けられることから継続開催。第7回の2024年は1378人が参加した。名古屋観光コンベンションビューローおもてなし部長の木野有恒氏は「ファミリーから子連れ、1人参加まで幅広い層が楽しめる」点を強調。土曜開催とすることで名古屋に泊まり、翌日名古屋観光を楽しんでもらえるように配慮しているという。
今後の課題は県外からの参加者数の増加。2024年は88%が県内だったため、他県などの類似イベントとの連携や交流を強化する。さらに、チェックポイントとなる施設や協賛社、関係機関や市民などのステークホルダーとの協同をさらに強化。2026年の第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)も「スポーツ×観光」取り組みを拡大するチャンスとした。