目標が無いということはどうなるの!-縁多 日比野元哉氏

  • 2025年1月30日

 現在、「人材不足」を理由に目の前のお客様を毎日迎えることで精一杯、とにかく人手を確保するということだけにフォーカスされているのではないでしょうか。求人広告を出稿して応募者を募り、面接をして採用する。採用したら1日も早くお客様を迎えるために必要な“作業”を伝え完璧に理解できていなかったとしても実践しながら理解を深めて慣れてもらう。

 接客業が好きで宿泊事業に携わることを選択したにも関わらず、お客様と接する時間が作業として押し付けられた時間であれば、自ずと接客というお客様との時間が、苦痛に感じられ何も楽しみを見出せなくなります。何のためにここで時間を過ごしているのか?という自らに対する疑問を感じ、将来に対する不安が募り、別の道を模索し始める結果になるというのが、現在の宿泊事業の大半が陥っている人材不足の根本的原因だと思います。

 目先の利益を追求しつつも、それ以上に中長期の利益を確保する体制づくりにシフトしなければ定着率の向上はなかなか見込めないと考えます。

 そのためにも「先ず何をする必要があるか?」それは従業員の皆さんと会社が共有できる指標を持つこと。組織として目指すべき時間(場所)と、個人個人がそれぞれの立ち位置に対して次に目指すべき時間(場所)=目標を持つことです。

 目標設定をするということ、また設定した目標を見失わない様にして確実にその目標に近づくためには、従業員個人の力だけでは難しいと考えます。職場にもスキーインストラクターのような伴走者=支援者(管理職)がいるからこそ目標に到達すると考えます。高い目標であれば尚更です。

 目標を維持継続させるために支援ができる管理者を確保することがとても大切だと考えます。離職率が高い組織には、この伴走者である管理者がいらっしゃらない。管理人材がいたとしても残念ながら役割を担えるスキルを持ち備えていない。滑る技術や教える技術が乏しいスキーインストラクターから指導を受けてもなかなかレベルアップは叶いません!

 管理者には、多様な「コミュニケーションスキル」が求められます。

 サポートしなければならない人材が「今どの様な状況に置かれているのか?」を明確に理解し、その状況に合わせた「コミュニケーションスキル」を駆使して接する必要があるのです。

 私たち縁多では、この「コミュニケーションスキル」を身につけていただくためのプログラムをご提供しています。次回はその「コミュニケーションスキル」は何なのか?どの様にトレーニングして本来の支援者=管理職になっていただくかをお伝えできればと思います。