目標が無いということはどうなるの!-縁多 日比野元哉氏
冬は寒い!当たり前ですよね。それでも日中の陽射しの下、風もなく空気の澄んだ穏やかな日には何となく気分もゆったりと心地良さを感じつつ過ごしています。
2025年も始まり心機一転という方々も多いと思いますが、どの様な1年の始まりを迎えていますか?私は、幸か不幸か、嵐の前の静けさの如く静かな落ち着いた毎日です!
さて、前回は「経営者と従業員との間で、企業や個人が向かう方向を共有する“仕組み”を持つことが大切です!」ということを綴らせていただきました。できる限り数値化や具体的な行動活動が日常的に確認できる“仕組み”を持ち備え、制度化した上で、「次に何をする必要があるのか?」という「目標」が定まりますという内容でした。
なぜ「目標設定」が大切なのか?
従業員の定着率を向上するためには、既存の活動や時間に対する不安や疑問をいかに無くすことができるかだと思います。裏を返せば、自分は「何のために“今”という時間を過ごしているのか」という問いに、明確に答えられる状況を常に持ち備えることができれば、不安や疑問を抱く暇もなく、将来を見据えて時間を過ごせることに繋がるのではと考えます。
少し私個人の若かりし頃のお話をさせてください。20代前半、30年以上前の話になりますが、当時北海道のリゾートホテルにて仕事をしていました。まさに今の季節、12月から4月にかけてはスキーやスノーボードを教えるインストラクターのお仕事をしていました!
スキースクールでは、レベルに応じたクラス分けをしてレッスンがスタートしますが、最初は自己申告でクラスに入ってもらいます。実際に滑りを最初に確認して、そのクラスに適していないレベルの方には、そのレベルに合ったクラスに移動してもらいます。当然、スキースクールに入る方々は、もっと上手くなりたいという目的があるからこそお越しいただくわけです。受け持つクラスの方々に共通した課題があれば、それをクリアするためのトレーニングが組めるのですが、クラス内にレベルが違う方がいる=課題が異なるとなれば、トレーニングも異なり、限られた時間内にレベルアップを図るには難しい状況になります。
どの様な滑りができるから今のクラスにいる。では、「次にどの様な滑りができる様になれば、あなたは上級クラスに行けますよ!」というのは、当然ながら明確にお伝えしなければなりません。これがクラスだったり個人だったりの“目標”になるわけです。
その目標を達成するためには、どの様なことを意識して、何をできる様になれば結果として求める滑りができる様になる。だからこんなトレーニングをします!と時間を組み立てるのがインストラクターの仕事です。
職場の話に戻りましょう!あなたの職場には「どの様な作業があり、その作業はどんな手順で行う必要があるのか?」また「どれくらいの時間をかけてどの様な質が求められるのか?」など、全体的に理想の作業行程が明確に示されていますか。その作業(取り組み)をする従業員の方々が「今どのレベルにいるのか?」を本人がしっかりと納得同意できる様に示すことができていますか?
これができていれば次に何を目指して欲しいという「目標」をここでようやく、本人と会社が共通して持つことができるということになります。スキースクールで言い換えるとレベル・クラス分けの定義付けが出来ているといったところでしょうか!