観光庁予算5.4%増加、デジタルノマド誘致や免税制度改正周知図る
政府が12月27日に閣議決定した2025年度予算案で、観光庁については前年比5.4%増の530億3300万円となった。内訳における3つの柱に変更はなく、引き続き観光立国推進基本計画に則り「持続可能な観光地域づくり」、「地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組」、「国内交流拡大」を推進する。
それぞれの予算額は、持続可能な観光地域づくりは前年比5.1%増の53億9900万円、地方を中心としたインバウンド誘客の戦略的取組は同5.6%増の464億1800万円、国内交流拡大は同39.3%減の4億600万円。国内交流拡大が唯一前年割れとなった点について担当者は、「(24年度の)補正予算で前倒しで計上されており、合わせれば(国内交流拡大の部分も)増えている」と説明している。
免税制度改正に伴う支援など、3つの新規事業盛り込む
25年度予算で盛り込まれた新規事業は、デジタルノマド誘客促進、観光コンテンツ事業者の収益性改善モデル構築、免税制度改正に伴う支援の3点。
予算案と同日に2025年度税制改正の大綱が閣議決定されており、訪日旅行者向けの免税制度の見直しが図られることとなった。2026年11月1日から、出国時に税関にて持ち出しが確認された場合に免税販売が成立するリファンド式へと移行するほか、消耗品の同一店舗1日あたりの購入上限額が撤廃されるなどの変更が行われる。
今回の免税制度改正に伴う新規の支援事業は、この制度改正の周知を目的にしたもの。旅行者及び事業者へ情報発信を行う。この免税制度改正の関連では、持続可能な観光地域づくり内の「ICT等を活用した観光地のインバウンド受入観光整備の高度化」事業でも一部予算を計上。こちらは販売店側の体制作りを推進するもので、システム改修費用を支援する。
デジタルノマドについては長期滞在による消費拡大が期待できることから、モデル地域を5地域選定し事業計画の策定からプロモーション、モニターツアーなど総合的に支援を実施していく。