クルーズ人口増加と若年化目指すクルーズイズム、2025年はツーリズムEXPO"クルーズ特化版"開催目指す

 クルーズ人口増加と若年化を目的に、インフルエンサーを活用したプロモーション事業などを手掛ける一般社団法人クルーズイズムがこのほど、インフルエンサーやクルーズ業界30社を集めたパートナーズ謝恩パーティーを開催した。クルーズ市場を巡っては、昨年世界のクルーズ人口が3170万人に到達し、2019年比107%(19年:2970万人)とコロナ前の規模を上回った。一方、日本のクルーズ人口は昨年19万6000人。過去最高を記録した2019年(35万7000人)に対して54.9%の回復に留まっている。

イベントはシンフォニークルーズを会場に開催

 同イベントに出席した日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)クルーズ旅行推進部会部会長で、クルーズのゆたか倶楽部代表の松浦賢太郎氏は「JATAに加盟する1150社の旅行会社の内、クルーズを販売する会社は50社程度」との現状に触れ、その要因を「クルーズ=何か特別なものを売り込むような変な先入観があるのでは」と分析。その苦手意識や販売会社の少なさがクルーズ人口拡大を阻害する要因の一つとして、「インフルエンサーの皆様のお力をお借りすることで、ますますクルーズが伸びると確信している」と同団体による訴求力に期待感を示した。

 構想から4年、立ち上げから間もなく2年を迎えるクルーズイズム。本誌の取材に応じた代表の久野健吾氏は、同団体のInstagramのフォロワー数が1万人を超え、乗船案件や船内見学会などのSNS投稿の総再生回数は5000万回以上、所属するインフルエンサーの総フォロワー数は約600万人に達したと話しており、徐々に広がりを見せている。その他にも、大学でのクルーズに関する授業の実施や、金沢港発着クルーズのPRプロジェクトが進行中で、同氏によると国内の港でインフルエンサーを活用した半期以上に渡る継続したPRを行うのは初。今後同様の事業を更に拡大したい考えだ。

イベント時の船内の様子

 また、最終目的は予約に繋がることと話す久野氏。一部の投稿では旅行会社とアフィリエイトの提携を行っており、来年シンガポールに就航するディズニークルーズの案件では12月の開始以降既に150名を超える送客を実現した他、これまでに複数のクルーズで数十件の予約に結び付いているという。

サブスクサービス、"クルーズ特化型"のツーリズムEXPO構想

 様々な取り組みを見せる同団体だが、今後の新たな展開として挙げたのが「クルーズのサブスクサービス」と「"クルーズ特化型"のB2Cイベントの開催」だ。

 サブスクサービスについては、既に同団体のInstagram上で募集を開始しており、クルーズに関するお得情報や特別優待、メンバー限定イベントなどを展開していくという。

クルーズイズム代表の久野健吾氏

 B2Cイベントは、ツーリズムEXPOのクルーズ特化版をイメージしたもの。今年のツーリズムEXPOでは、自身がアジア太平洋地区カントリーマネージャー日本・韓国代表を務めるフッティルーテン&HXとして出展したものの、クルーズコーナーはもっと拡大する必要があると振り返った久野氏。

 同イベントの開催は2025年後半を目処としており、クルーズ船各社や旅行会社、寄港地となる各港の出展を想定している。開催が実現すれば、クルーズイズムとしては初のBtoCイベントとなる。