ポーランド、25年は「のどか」「かわいい」がカギ?FITや業務渡航にも期待−政観とLOTポーランドがイベント開催

  • 2024年12月22日
イベントではポーランド政府観光局とLOTポーランド航空がそれぞれプレゼンテーションを実施

 ポーランド政府観光局とLOTポーランド航空(LO)は12月19日、都内で「POLAND NIGHT 2024」を共同開催した。両者がこうしたイベントを年末に共催するのは2019年以来のこと。

ポーランド政府観光局の石川氏

 挨拶に立ったポーランド政府観光局局長代行の石川みゆき氏は「海外旅行にとって非常に厳しい数年が続いた」と振り返ったうえで、「ポーランドは物価も比較的安定しており、日本の財布を持って出かけても十分楽しめる安全な国ということを売りにしていきたい」とアピール。「今後ともポーランドへの旅行商品を造成していただき、より多くの皆様に渡航していただけるよう頑張りたい」と話し、旅行会社に協力を求めた。

 続いて登壇したLO日本地区本部長の岸真冴氏は、今年を「パンデミックの回復の兆しが見えた年。世界的に航空需要は激増した」としながらも「日本発を見るとまだ2019年レベルにも到達はしていない」とコメント。そんななか、LOでは路線やネットワークを拡大していることを説明し、「日本経済が不安定でも旅行をする人はなくならないが、時代とともにニーズはどんどん変わっている。若い人々が新しいアイデアや柔軟な発想で、デジタルを活用し、新しい時代に即したツアーを考えご提案いただければ」と話した。

LOTポーランド航空の岸氏

 イベントでは石川氏が今年実施したプレスツアーをもとにポーランドの見どころを説明した。同氏は東部のポドラシェ地方にある世界遺産・ビャウォヴィエジャ原生林でのヨーロッパバイソンの見学を紹介する。同地方にはタタール人の子孫が住んでおり、木造りのモスクやタタール料理が楽しめるという。

 石川氏はポドラシェ地方を「人が温かく、人情味のある場所」と話し、地方ならではののどかな旅をアピール。同紙の取材に応え、2025年は旅の起点となるワルシャワはもちろん、ポドラシェ地方を中心とした東部エリアや、クラクフからポーランド北部のヴロツワフまでのルートを訴求したい考えを示した。加えてヨーロッパのベストクリスマスマーケット2025で1位に選ばれた港湾都市・グダンスクのPRにも注力していく。

LOTポーランド航空の小峰氏

 また、LOからは営業部長の小峰祐樹氏が2025年の方針を説明。レジャーについては、アウシュビッツをはじめとしたポーランドの有する歴史やショパンを代表する音楽は大きな観光コンテンツとしながらも「気楽に行けない、『身構えないと』というイメージもある」と指摘。

 ポーランドにはグダンスクのカラフルな街並み、ワルシャワの旧市街、ポーランド食器、おしゃれなスイーツなどインスタ映えする「かわいい」ものがあふれているとし、「若い層が気楽にかわいいものを買ったり美味しいものを食べたりする旅行ができる」と強調。「日本と同じ金銭感覚で旅をしながら本格的なヨーロッパが楽しめる」点もメリットとしてあげた。

 2025年についてはF1、F2層など「ライト層に切り込んでいきたい」考え。これまでのグループに加え、FITの取り込みもはかるという。

 ビジネストラベルに対しては、EUのなかでポーランドのGDP成長率は1.5%とトップレベルであり、25年は3.7%の伸びが予想されていることを紹介。小峰氏によれば、欧州の中央部に位置するポーランドは立地の良さや人件費の安さなどから欧州全体の製造業の集積地になっており、工場も多いという。中東欧地域では日系企業数が最も多く、354社が進出、うち114社が製造業だ。

 小峰氏は製造業は他業種よりも工場建設や製造ラインの変更、メンテナンスなどのために「人が動く機会が多い」と語り、出張需要の増加への期待を述べた。さらにEUの自動車エンジンに関する方針がある程度明確になると、ラインの見直し等でポーランド、特にヴロツワフやポズナンへのビジネストラベルの増加に期待がかかるという。

 そのうえで小峰氏はLOで行くポーランド旅行のメリットを紹介。直行便であることはもちろん、到着日の早朝から最終日の夕方まで旅行を楽しめる点をアピールした。LOは冬ダイヤでは成田/ワルシャワ線を週3便での運航だが、2025年夏ダイヤからは週6便から週7便で運航する計画だ。運航機材はボーイングB787型機。

 このほか、同氏は来夏ダイヤの新路線として、ワルシャワ/リスボン、テサロニキ、マルタ線を紹介。いずれも成田線からの乗り継ぎが便利であるとし、ポーランド+αの旅も提案した。

LO日本線 2025年夏期スケジュール(12月19日時点)

LO80便 NRT 22時35分発/WAW 06時00分着※翌日(デイリー)
LO79便 WAW 22時50分発/NRT 18時35分着※翌日(デイリー)
※LO80便は6月1日~10月4日は日曜以外の週6便、10月27日~31日は月・水・金の運航
※LO79便は5月31日~10月3日は土曜以外の週6便、10月26日~30日は日・火・木の運航