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多様な取り組みで人材獲得目指すWILLER EXPRESS、来年は高校生や外国人材採用も視野に

  • 2024年12月11日

 高速バスや旅行事業などを手掛けるWILLER EXPRESS代表取締役の平山幸司氏が、11日に開催したメディア向けの説明会で本年の総括と2025年の展望について語った。同社では今年、時間外労働の上限規制などによる所謂"2024年問題"に対処すべく抜本的な人材不足対策を展開。今年の売上は19年の業績には及ばなかったものの、昨年比では増収増益を実現した。

 増収増益の要因は、高速バス事業との親和性が高いライブ動員数の増加や夜行バスへのシフトにつながったホテル代の高騰といった市場環境の変化、及び同社の取り組みとして、BIツールの活用による平均単価の引き上げとそれに伴う新シート搭載などのサービス改善により実現したものだ。

 これにより業績に影響する「乗車率・平均単価」は、それぞれ85.0%(昨年比3.8%増)、5334円(同414円増)を記録した。

 一方で課題も残った。酷暑により夏休み期間の需要は減退、今年8月~9月の売上は前年を割ったという。また、単価の引き上げはリピート意向が微減するなどマイナスの影響もあった。

 同社が乗客を対象に行ったアンケートによると、昨年に比べ満足度は上昇傾向を示したが、「今後もWILLERを優先して利用する」とのリピート意向は昨年から2.28%減少した80.9%との結果に。

WILLER EXPRESS代表取締役 平山幸司氏

 平山氏はこの原因を、単価引き上げによる負担感の増加が影響したと見ており、メインの顧客層となる10代や20代では、やはり"安さ"が選択の際の重要なポイントとなっているようだ。

 単価について平山氏は、引き下げの可能性はゼロではないとしつつも、人件費や燃料費の高騰などを背景に安易な値下げは困難と示しており、「価格に見合ったサービスをしっかり作っていけるかがポイント」と語った。

高校生や外国人採用も見据えた人材対策強化へ

 給与引き上げや運転士のイメージ向上を狙いとした職名の変更、未経験者らの採用から育成を実現する新プログラム「WILLER LABO」の始動など、人材不足対策へ今年様々な動きを見せた同社。

 WILLER LABOでは、今年計472件の応募を記録し、1期生7名、2期生9名、3期生6名の採用につながった。また、「ハイウェイパイロット」とした呼称変更でも、パイロットとの名前に憧れ、若手の入社が実現するなど効果が見えたという。

 そんな中、2025年の事業戦略では人材の採用育成を更に強化する方針だ。具体的には、WILLER LABOでの受け皿を拡大し他業種からの人材獲得を目指すほか、大型車経験者向けの教育プログラム「LABO EXPERT」の新設により、純増+30名を目指す。

 また、構想段階ではあるものの高校生や外国人材の採用にも乗り出す考えを示した平山氏。外国人採用においては交通ルール・慣習の違いなどの懸念もあるが、「(LABOなどでの)教育で絶対にできるようになる」と自信をのぞかせた。