日本人アウトバウンド不調のはずも...グリンデルワルトの日本人宿泊数は47%増で2019年超、今後は長期滞在も提案
スイスのグリンデルワルト観光局から局長のブルーノ・ハウスウィルト氏、会長のニクラウス・ルビー氏がこのほど来日し、業界向けイベントを開催。2024年1~9月にグリンデルワルトを訪れた日本人の宿泊数が対前年比47%増を記録したと発表した。ハウスウィルト局長は日本の旅行会社に感謝を述べるとともに、今後は夏のピークシーズンを避けた春や秋の訪問、長期滞在などもアピールしていくと話した。
ハウスウィルト局長によると、2024年1~9月の日本人宿泊数対前年比47%増は2019年コロナ禍前の訪問客数を上回るもの。10月以降も順調に訪問者数があり、2024年全体で対前年比50%前後を見込んでいる。
スイス全体の日本市場は「スイスフランが円安によるユーロ高や米ドル高に比べて急激に高騰したという印象が少ない」(旅行会社社員)といった価格的要因や、そもそもスイスが持つユングフラウヨッホやマッターホルン、氷河特急といった観光素材の訴求力の高さから復調傾向にある。
ハウスウィルト局長によると、2024年1~9月のベルン州における日本人宿泊数は対前年同期比57.1%増、ヴァレー州が50.6増とこの2地域で上位を占め、3位のルツェルン湖地域17.3%を大きく引き離している。マッターホルンやユングフラウヨッホなど、スイス山岳地域の日本人宿泊客数は対前年同期比43.5%増で、日本人客が山岳地域の景観をテーマとした旅を中心に回復している様子がうかがえる。
グリンデルワルト観光局では、満床で予約の取りづらい夏場を避けて、比較的価格の安くなる新緑の春、空気の澄む黄葉の秋の訪問をアピールしていく。さらにユングフラウヨッホ観光の玄関口、交通のインフラや利便性に加え「グリンデルワルトは治安が良く、電車が定刻に運行されるなど、日本人にとってはストレスなく、親しみを持っていただける地域だと考える」として、この町を拠点とした長期滞在の旅なども提案していく考え。
ハウスウィルト局長は「日本はグリンデルワルトにとっては長年のビジネスパートナー。今後も日本とグリンデルワルト両地域の関係を深めながら、良好な関係を築いていきたい」と話した。