ベトナム人材の日本離れ?「給与の不満」理由に退職多く、マイナビグローバル調査
外国人採用専門の人材事業を手掛けるマイナビグローバルは28日、同社が支援する特定技能外国人で、2023年7月~2024年6月に退職した350名への聞き取りをもとに退職理由や国籍別の傾向をまとめた。
同社が支援する就労中の特定技能外国人のうちベトナム人材は64.5%。一方、退職者のベトナム人材の割合は78.3%と、退職者に占める割合が13.8pt高い結果に。
外国人材全体での退職理由の傾向では、「業務・職場の不満(31.4%)」、「給与の不満(29.1%)」、「結婚・妊娠・母国の家族都合(21.4%)」の順となったが、ベトナム人材に限った場合は「給与の不満(31.8%)」がトップとなった。
これに対し、同社代表の杠元樹氏は「円安やベトナム現地の賃金上昇の影響が要因」と挙げており、「今後は国籍に捉われない雇用が重要」と指摘している。
その他の傾向として、インドネシア人材とミャンマー人材の退職理由では「人間関係の不満(インドネシア:30.0%、ミャンマー:28.0%)」が高い割合を示した。「人間関係の不満」の詳細では、「日本人の同僚との関係がよくなかった(37.7%)」、「上司との関係がよくなかった(35.8%)」との回答が多く、一緒に働く外国人材との関係ではなく、日本人との関係が退職に影響していることがわかった。
また、入社から3カ月以内の退職者で最も多い退職理由は「人間関係の不満(33.3%)」となっており、人材の定着には日本人の影響が大きいと考えられる。調査期間中の退職者の退職時期の割合では、10~12カ月在籍(25.4%)が最も高く、加えて、在籍期間が1年を超えて退職する割合は低い結果になっており、「職場環境や業務特性に合わせた対策で、1年目の壁を突破できるかが企業に求められる」(杠氏)。