雇調金不正受給件数、旅行業等は前回から7社増-TSR公表

 東京商工リサーチ(TSR)は21日、企業の雇用調整助成金(雇調金)の不正受給に関して、産業・業種別での件数をまとめた。

 全国の労働局が10月31日までに公表した雇調金等の不正受給件数は、2020年4月から累計1446件、不正受給総額は463億7025万円にのぼった。2024年1~10月累計では526件、前年同期(576件)を下回っておりピークアウトの兆候が見え始めた。

 公表された不正受給件数の都道府県別では、愛知が196件で最多。以降は、東京180件、大阪166件、神奈川114件と続いている。

 1371件の内、TSRの企業データベースに登録された1093社の産業別では、サービス業他の496社が最多、構成比は45.3%と半数ほどを占めている。

 細分化した業種別では、「飲食業(155社)」が最多に。以降は「建設業(141社)」、人材派遣や業務請負などの「他のサービス業(107社)」と続いた。

 そのほか、旅行業や美容業などの「生活関連サービス業 娯楽業」は前回(8月31日時点)から7社増加した84社、「宿泊業」は前回から変わらず30社となっている。

 雇調金はコロナ禍で迅速な支給に対応するため、手続きを簡素化した特例措置を講じたが、2023年3月の特例措置終了後、1年以上を経過した現在も不正受給の公表が後を絶たない。