タイミー グロース市場上場、「観光産業次なる柱に」 グローバル展開も視野
スポットワーク事業を手掛けるタイミーが26日、東京証券取引所グロース市場への上場を果たした。公開時の価総額は1379億円。同日には記者会見を実施し、代表取締役小川嶺氏は「まだまだここからがスタート」「HRマーケットを驚かすような成長を続けていきたい」と語っており、「はらたく」インフラ目指す今後の成長戦略やグローバル展開の可能性について言及した。
2018年のサービスローンチから現在ユーザー数は770万人に達したタイミー。売上の約9割を「物流・飲食・小売」業界が占めているが、小川氏はホテル・旅館など観光産業を第4の柱と見据えており、実際に地域の組合などと共同でセミナーを実施するなど取り組みを強化している。
スポットワーク市場においては、昨年11月にフリマアプリ大手メルカリが参入するなど競争は激化しているが、同社では各種労務管理機能や社会保険加入対象となる月8.8万円未満に抑えるブロック機能などを備えることで他社の流入を防いでいる。小川氏は「今後も積極的な投資を行って、他にはない機能などを作っていきたい」と述べるとともに、メルカリなど競合他社に対しては「自分達は(スポットワーク事業を)祖業としてやってきており、そんな簡単に負けるわけにいかない」と意気込みを語った。
また、小川氏が同社の強みとしたのが、募集人数に対し集まったワーカーの割合を示す「マッチング率」。他社が示すアプリDL数は「何も意味がない」とし、業界水準ではトップとなるマッチング率約88%について「プラットフォーム上でタイミーを使い続けたいと思ってもらえるような環境を作れるかが重要なポイント」と強調した。
そのために今後同社が目指すテーマとして掲げたのが、「固定観念を変え、データを活用して変革していくこと」。具体例としてパート・アルバイトの場合、時給アップなどの評価は引っ越し等で勤務先が変われば振り出しに戻ってしまうが、今後は同社のプラットフォーム上に蓄積される勤務歴や評価などを活用して非正規雇用でもキャリアアップが目指せる「はたらく」インフラを目指す。
また、会見では将来的なグローバル展開についても言及。「韓国など世界でも日本と同じ社会課題が発生している」「(国内で培った)アセットを用いてグローバルに展開する。日本から世界へと羽ばたいていきたい」と語っており、その他、中長期的な戦略の一つにフィンテック事業の展開も検討しているという。