ANA 12月に羽田/ミラノ線就航-1月にストックホルム線、2月にイスタンブール線、延期の欧州3路線出揃う

  • 2024年7月19日
記者会見の様子

 全日空(NH)は7月19日、開設を延期していた羽田/ミラノ、ストックホルム、イスタンブール線の運航開始日とダイヤを発表した。ミラノ線は12月3日から、ストックホルム線は2025年1月31日から、イスタンブール線は2月12日から、それぞれ週3便で運航を開始する。3路線の航空券の販売は7月22日から。

NH代表取締役社長の井上氏

 NH代表取締役社長の井上慎一氏は記者会見で「3路線ともコロナ前に就航を予定していた路線。『ついにここまで戻れたか』と感無量でここに立っている」と喜びを示した。同氏によれば、このタイミングでの就航となった理由は「乗員の稼働」。ウクライナ問題でロシア上空が飛べなくなった影響で「多くのリソース(=乗員)が必要となり、準備に時間がかかった」と説明した。

 NHは関空/ミラノ線を1996年に運航していたが、羽田からミラノに定期便を就航するのは今回が初。ストックホルム線については過去2回、成田や仙台からチャーター便を、イスタンブール線は羽田から1回チャーター便を運航したことはあるものの、羽田からの定期便は今回が初めてとなる。

3路線の乗り継ぎ需要にも期待
ミラノはレジャー、ストックホルムはビジネスも

ネットワークを開設する井上氏

 3路線の就航により、8月1日から再開する羽田/ウィーン線を加えると日本/欧州間の週間便数は49便、就航地点数は9地点まで拡大する。また、NHでは3路線の就航によりコードシェアを実施しているパートナーキャリアとの関係を強化。現在は34か国・76地点に乗り継ぎ可能だが、今後は北欧、トルコ国内、北アフリカでコードシェアする路線を拡大していく方針だ。

 井上氏によると、ミラノ線は日本発のレジャー需要をコアターゲットに設定し、日本発と海外発は6対4を想定。ミラノに拠点を置く会社のビジネス需要も見込めることから「ビジネスと観光需要がちょうどよいバランスで存在しているマーケット」だという。

 さらにミラノ・マルペンサ空港には鉄道が乗り入れているが、NHは7月1日からTrenitaliaと提携を開始。井上氏はイタリア25都市をはじめ欧州各国と鉄道で便利にアクセスできる点をアピールした。

 ストックホルム線については「7割が日本/欧州間の接続を含む旅客になる」とし、ストックホルム以遠の乗り継ぎ需要に期待を示した。ビジネス需要は5割を見込んでいるが、スウェーデンを中心とした北欧エリアを「海外旅行の新たな選択肢として訴求したい」とした。

 イスタンブール線についてはイスタンブールに加え、中東やアフリカへの乗り継ぎ需要も見込む。ビジネス需要のポテンシャルの高さや、海外旅行に慣れた成熟層にも訴求したい考えだ。

 また、井上氏は日本発のアウトバウンドの状況についても言及。6月の旅客数は前年比1.3倍で「数字的には鈍いが決してシュリンクしていない。コロナで冷え切ったマインドが円安はあるものの少しずつ溶けてきており、需要が増えている」との見方を示した。

 さらに自身がゴールデンウィークにホノルルを旅行し、若い旅行者6グループのヒアリングから「(お客様は)いろいろやりくりしながら今を楽しむ、というポジティブでメリハリのある価値観」で旅をしているとし、「価値観の広がり、ムーブメントの後押しが大切で、それをいかにサポートするかにANAは活動をハイライトしていきたい」と話した。

 なお、運航機材はミラノ線がボーイングB787-9型機で、ビジネスクラス48席、プレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス146席の計215席。ストックホルム線とイスタンブール線はビジネスクラス32席、プレミアムエコノミークラス14席、エコノミークラス138席の計184席。詳細なスケジュールは以下の通り。

NH 欧州3路線 運航スケジュール
●羽田/ミラノ線 12月3日~
NH207便 HND 01時05分発/MXP 08時30分着(火・木・日)
NH208便 MXP 10時30分発/HND 07時30分着※翌日(火・木・日)

●羽田/ストックホルム線 2025年1月31日~
NH221便 HND 00時30分発/ARN 06時20分着(火・金・日)
NH222便 ARN 09時35分発/HND 07時20分着※翌日(火・金・日)

●羽田/イスタンブール線 2025年2月12日~
NH219便 HND 08時15分発/IST 15時55分着(月・水・土)
NH220便 IST 18時10分発/HND 11時20分着※翌日(月・水・土)