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【視察レポート】メルボルン近郊でグルメ&温泉大満喫、心も身体も満ち足りる体験が目白押し

  • 2024年7月23日

 最後はUnwind、イコール「リラックス」。今回の視察は、食事と食事の間に軽食という名の別の食事が入るなど主に胃が大忙しのツアーだったが、そこで嬉しかったのが温泉だ。

 モーニントン半島には、天然温泉が楽しめる大規模な温浴施設が2つもある。ひとつはペニンシュラ・ホットスプリングスで、日本の温泉にヒントを得たオーナーが世界30ヶ国以上のスパ施設を研究して2005年に開業した。

広い敷地は緑豊かでコクチョウなど野鳥の姿も|©Tourism Australia

 地下637メートルで掘り当てた源泉の泉質は、以前は重曹泉と呼ばれていたナトリウム炭酸水素塩泉だ。炭酸水素塩泉のなかでも特に「美肌の湯」「美人の湯」とされており、これもお勧めしやすいポイントだろう。ほのかに硫黄の香りを感じるのも温泉らしい風情があって良い。

 敷地内には様々なタイプの露天風呂やサウナがそろい、足つぼを刺激する小石が敷かれたエリアや打たせ湯なども。またサウナもトルコのハマム風など種類も豊富だ。

明け方のペニンシュラ・ホットスプリングス。熱すぎもせずぬるくもない快適な温度

 また、もうひとつの施設は2022年にできたばかりのアルバ・サーマル・スプリングス&スパで、ペニンシュラ・ホットスプリングスのすぐそばに位置。こちらも地下550メートルから天然温泉を確保しており、公式サイトによると神経痛や打撲、リューマチのほか肩こりや疲労回復、筋肉痛緩和などに効果があるとのこと。モーニントン半島には評価の高いゴルフコースも複数あり、ゴルフとワインと温泉を組み合わせた旅程なども提案可能だ。

アルバ・サーマル・スプリングスは、ペニンシュラが温かみのある自然を感じるデザインであるのに対してモダンでシャープ、都会的なイメージを打ち出している
どちらの施設も水着着用で撮影も可(※画像内の人物はすべて視察参加者)

 現時点で宿泊施設はペニンシュラ側にしかないが、アルバも近くエクスクルーシブな小規模の設備を開設予定。ペニンシュラも新たにマッサージ室やリラクゼーションラウンジとともにエコロッジを建設中なので、ますます選択肢が充実することになる。

宿泊したペニンシュラホットスプリングスのグランピングテント。テントといっても一般的なホテル客室と変わらない居住性

 このほか、視察ではベラリン半島の付け根部分にあるビクトリア州第2の都市ジーロングのジーロング・アートギャラリーも訪問。こちらは州内でもトップ15に入る人気の観光スポットで、毎年多くの企画展を実施し年間8万人が来場。オーストラリアは人種の多様性が知られているが、このギャラリーでもアジア系住民の増加に合わせて収蔵品を拡充しており、今回の訪問時には、20世紀初頭に日本の芸術に魅せられて実際に来日までして木版画を学んだマーガレット・プレストンの作品を中心に、オーストラリアの美術界に浮世絵が及ぼした影響を探る企画展が開催されていた。

シドニーハーバーにボートが浮かぶ様子を描いた木版画

 浮世絵らしさをはっきり感じる木版画でありながら描かれているのはサーキュラーキーだったりシドニーハーバーだったりバンクシアなどの固有植物だったりとただ美しいだけでなくとても興味深く、予想を超えてかなりの満足度だったのは間違いない。日本人旅行者がここを目的にジーロングを訪れる可能性はあまりなさそうだが、アートラバーなら旅行のタイミングの展示内容に目を通してみると良いことがあるかもしれない。

 思えばポイント・レオ・エステートでもアートに触れており、食べて飲んで絶景や温泉にアートまで満喫してと心身ともにとても満ち足りた数日間だった。ほどよく手の入った自然やグルメ、癒やしはメルボルンの街歩きとも好相性で、しかも今回紹介したどの体験もメルボルンから車で1時間半程度でアクセス可能。今後機会があれば家族や友人にも自信を持っておすすめしたいと思っている。

取材協力:オーストラリア政府観光局、ビクトリア州政府観光局