独自性の高いOTAが一堂に会してディスカッション、今後の展開と課題は?-WiT Japan & North Asia

  • 2024年5月29日

今後の展開は「グローバル化「と「インバウンドへの取組強化」

 セッションでは各社が今後の展開について説明した。KabuK Styleの砂田氏は、以前は日本国内での会員を募集して10万ユーザを獲得したが、現在は海外に焦点をあてているとし、その理由として「日本人が海外に行かないトレンドがある」ことをあげた。その上で旅行人口が多い韓国や台湾をターゲットにしたい考えを示した。すでに韓国ではプロジェクトを開始しているという。

Tripbtozのスタンレー・キム氏

 また、他の旅行サブスクサービスとの差別化として「AIアルゴリズムを使用しており、価格の変動リスクとユーザーの行動リスクを理解できる」ことを説明。データの蓄積が今後の課題とした。加えて旅行市場のシステムの複雑さも課題とし、シンプルなAPIをホテルに提供するとともに「ホテルとのダイレクトコネクトでインベントリを市場に開放したい」とも話した。

 Tripbtozのキム氏も目標にグローバル化をかかげており、海外に拠点を置きたい考えを説明。決済方法の違いや事務所の家賃などのコスト面での課題はあるとしながらも「まずは来年日本から始めたい。新しいチームと新しい形で実現させたい」と話した。

 また、グローバル化の競合となる大手OTAに対しては「大手は豊富な資金力で値下げが可能だが、我々はショート動画でプッシュして、ショート動画に適したユニークな商品を提供し、価格だけではないというところを見せている」と自社の独自性を強調した。

ゆこゆこホールディングスの徳田和嘉子氏

 ゆこゆこの徳田氏は、シニア市場を中心にインバウンドの取り込みをはかる方針を説明。インバウンドにおけるBtoC市場は競争が激化しているが、そんななかシニア市場を「他社と差別化できるセグメント」と捉え、海外の旅行会社などとのパートナーシップでインバウンドの誘致をはかる考えだ。インバウンドからの温泉人気の高まりもチャンスだという。一方で国内旅行者については、現在のメインターゲットである週末旅行者に加え、平日の旅行者の取り込みをめざすとした。

 WAmazingの加藤氏は、空港での商品受取サービスを開始してから、2023年のオンラインショッピングサービスを使うユーザが10倍に増えたとし、今後3年でさらに10倍に増やしたい目標を説明。インバウンド市場が拡大するなか「多くのユーザを持つOTAと提携し、免税オンラインショップを使ってもらえるようにしたい」と話した。