独自性の高いOTAが一堂に会してディスカッション、今後の展開と課題は?-WiT Japan & North Asia
5月13日・14日に開催されたWiT Japan & North Asiaでは、「Meet The Different Models of OTAs」として、特徴的なサービスを持つOTA4社が登壇し、今後の展開や課題について話し合った。今回はそのセッションの内容をお届けする。
4社の特徴的なOTAがサービス説明、サブスクや動画活用も
セッションでははじめに4社が自社のサービスを改めて紹介した。KabuK Styleはホテル宿泊サブスクリプション(サブスク)サービス「HafH(ハフ)」を展開しているトラベルテックカンパニーだ。同社CEOの砂田憲治氏は例として「20年前はレンタルビデオが主流だったが、今は動画視聴サービスで1ヶ月30時間ドラマが簡単に見れる」と語りながら、サブスクモデルは市場拡大につながることを説明。「1990年代から変わらない従来のOTAビジネスモデルを変革し、新しいモデルを作ることが我々の仕事」と話した。
ゆこゆこホールディングス代表取締役社長の徳田和嘉子氏は、温泉旅行の予約サイト「ゆこゆこ」のメインターゲットがシニア層であることを説明。「約3000の温泉旅館を扱っており、取扱額は1億5000万米ドル。オフラインとオンラインでブランドを最適化し、AI分析も実施している」と話した。
韓国発OTA・Tripbtozのシニアディレクター、セールス&マーケティングのスタンレー・キム氏は同社のサービスを解説した。Tripbtozはユーザがアプリにアップロードしたショート動画を見て旅行先を決める仕組みで、動画から直接宿をリアルタイムで予約できる。宿泊施設側もプロモーション動画をアップロード可能だ。なお、Tripbtozは2018年のWiTソウルのスタートアップピッチで表彰されている。
アジア圏を中心にしたインバウンド向けのOTA事業を展開するWAmazing代表取締役CEOの加藤史子氏は、2022年から始めた新サービスを紹介した。免税品をオンラインで購入し、日本国内の空港の受取場所(ロッカー)でパスポートと顔認証で受け取ることができるもので、現在10カ所の空港や駅などに受取用のロッカーを設置しているという。同氏は「空港は訪日客にとって重要なタッチポイント。資金を投下し地域の空港にサービスを拡大したい」と意欲を述べた。
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訂正案内(5月30日15時52分)
※本文2パラグラフ目第2文…取扱額は1億5000万円…を…取扱額は1億5000万米ドル…に訂正いたしました。
謹んでお詫びいたします。