【メンフィスレポート】エルヴィス、ブルース、BBQそして公民権運動など幅広く、年齢層も広げてアピール
2日目、ミシシッピ川の川辺の大規模改修を行い、2023年8月にオープンしたばかりの「トミー・リー・パーク」を散策。きれいに散歩道が整備され、市民の憩いの場にもなっている。2万平方メートルという大屋根や、子供たちが遊べる自然な素材の遊具などもあり、ミシシッピ川を眺めながら散歩するのにとても気持ちのよい公園だ。川沿いのホテルのバーやカフェもくつろげる。
2日目の午後は、ライブハウスが立ち並ぶビールストリートからもほど近い「ピーボディ・ホテル」でアフタヌーンを楽しんだ。回廊に囲まれた吹き抜けのロビー、南部の伝統を引き継ぐ豪華絢爛なインテリアは、なかなか今では味わえない雰囲気を保っている。ロビー中央の噴水に、名物のアヒルが行進してきて次々に飛び込む様子を見ることができる。行進してくるアヒルを一目みようと人だかりの人気だ。3コースで出てくるたっぷりのアフタヌーンティーは59ドルするが、ゆったり3時間は過ごせる。
夜は、音楽を楽しみに「ビールストリート」へ。「ブルースの故郷」メンフィスに来たら逃せないスポットだ。多くの人で賑わう繁華街で人手が多い。やはりここに来たら、一際、B.B. Kingのネオンが輝く「B.B.キングブルース・クラブ」に立ち寄りたい。キング・オブ・ブルースとも言われる有名ミュージシャンのB.Bキングだが、本名はライリー・Bキング。B.B.とは”ビール・ストリート・ブルース・ボーイ”の略称である。2015年に亡くなったが、今も満員のライブハウスには彼のソウルにあふれているようで、ステージ前では年齢にかかわらず多くの人が、音楽に合わせて体を揺らしていた。
最終日に、B.B.キング、ジョニー・キャッシュ、ジェリー・リー・ルイスそしてエルヴィスと多くの才能を世に出したラジオDJのサム・フィリプスの録音スタジオ「サン・スタジオ」へ。歴史的な音楽が生まれた場所であり、エルヴィスが使用したマイクやスタジオ、オフィスもそのままに展示されている。45分間のガイドツアーは20ドル(毎時30分スタートだが結構満員になっていることも多いので時間に余裕を持っていく必要がある)。
3日間でも回りやすいメンフィスの街。エルヴィス、音楽、BBQそしてアメリカの公民権の歴史とここにしかない魅力にあふれていた。参加の若い世代も心に響いたという旅。コンテンツのどれ一つとっても、いつかは行ってみてほしいアメリカの街である。
取材協力:メンフィス観光局
取材・文:小野アムスデン道子