【メンフィスレポート】エルヴィス、ブルース、BBQそして公民権運動など幅広く、年齢層も広げてアピール
まず初日は、メンフィス観光といえば欠かせないエルヴィス・プレスリーの大邸宅「グレースランド」へ。空港からは約10分、ダウンタウンからは約15分。エルヴィスが弱冠22歳で購入したという大邸宅には、彼の暮らした当時のリビングやダイニング、キッチンや家族の寝室、エルヴィスのプライベートなスペースなどが当時のままに展示されている。そして、エルヴィスと両親の墓地もあり、まさにエルヴィスファンには聖地とも言える。それだけではなく、エルヴィスの衣装、数々の車のコレクション、プライベートジェット機まで展示されており、エルヴィスのテーマパークとなっている。
日本語音声ガイドもあって、エルヴィスの音楽とともに語られる当時の生活の様子なども聴けてなかなか興味深い。ゆっくり見て回れば、半日は過ごせる。セルフガイドツアーで施設のフルアクセスチケットは大人49.75ドル。 道路を挟んで、エルヴィス・プレスリーをテーマにしたリゾートホテル「ザ・ゲストハウス・アット・グレースランド」(450室)もあり、宿泊者には空港まで送迎の無料シャトルが出ている。
ランチはホテル近くに戻り、メンフイス名物のBBQの名店「セントラルBBQ」へ。日本だとBBQはグリルで焼きあげて、ソース(タレ)で食べるイメージだが、メンフィスのBBQは、スパイスをまぶしたりソースづけした分厚い豚肉を炭火でじっくりとスモークして焼き上げる。骨つきリブのジューシーで柔らかな肉にソースが甘辛くておいしい。サイドディッシュのコールスローやマカロニ&チーズなどがまたぴったりだ。
メンフィスは、エルヴィスや音楽などのエンターテイメントだけでなく、アメリカの歴史に深く触れることもできる場所である。1968年にマーティン・ルーサー・キングJr(キング牧師)が暗殺された現場であるロレイン モーテルの部屋はそのままの状態で保存され、周りも含め「ナショナル・シビルライツ博物館(国立公民権博物館)となっている。アフリカから連れてこられた黒人が奴隷として競りにかけられる様子、1876年から1964年まで続いた人種隔離政策(ジム・クロウ法)、その後の公民権運動の様子などをリアルに再現するかのような展示がされています。たとえば、1955年に白人に席を譲るためにバスで立つのを拒否して逮捕されたローザ・パークスの話はバスごと再現されいる。その後の公民権法の成立は1964年。人種差別撤廃という重い意味合いを持つこの法律ができてから、まだ60年しかたっていないことに改めて驚かされる。入場料は大人20ドル。