能登半島地震へ2次避難支援と「観光再生へ全力」、訪日消費額は初の5兆円越え-髙橋長官会見
能登半島地震への対応について、観光庁の髙橋長官は、まずは2次避難を進めるとともに「観光の再生に向けて、全力で支援する」と17日の定例会見で発言した。観光庁としては、地方運輸局や業界団体らを通じ被害状況を確認し、日本政府観光局(JNTO)のXやWeibo、観光庁監修の災害情報提供アプリ「Safety tips」などから情報発信を行うほか、JNTOのコールセンターでは英語、中国語、韓国語、日本語での問い合わせ対応を実施している。
地震においては、今後の訪日旅行への影響も懸念されるところだが、観光庁として現時点で「日本への渡航を控える注意喚起や、渡航制限を行っている国地域があるとは承知していない」(髙橋長官)。JNTOを通じて行った海外の旅行会社への聞き取りでは、東アジアや東南アジアで訪日旅行のキャンセルが一部発生したが、現地メディアの報道も地震発生直後からは落ち着いている状況もあり、政府としては被災地域の復旧に全力をあげるとともに、それ以外の地域への訪日プロモーションは引き続き取り組む方針だ。
会見同日発表された23年全体の訪日旅行者は2506万6100人、19年比では約8割としており髙橋長官は「堅調な回復」との受け止め。19年の訪日旅行において最大のマーケットとなっていた中国は、23年通年で242万5000人、19年比25.3%。ただ、12月単月では44%まで回復していることから、「まだ回復の途上にある」との見解を示した。
また、23年全体の訪日外国人旅行消費額(速報)は、19年比109.9%の5兆2923億円。政府目標としていた5兆円を越え、過去最高となった。消費額の上位5カ国は、台湾、中国、韓国、米国、香港の順で、これら地域のみで全体の63.7%を占めた。一方、訪日外国人1人当たりの旅行支出は、19年比133.8%の21万2193円。地域別では、スペイン(34万1562円)、オーストラリア(34万604円)、イタリア(33万5691円)、英国(33万811円)、フランス(32万4092円)の順となった。