開業後半年でリピーター多数、沖縄レンタカーのHANDYMAN、「沖縄の交通課題を解決したい」

  • 2023年11月20日
-どのように価格を変えるのでしょうか。

大下 基本的にはチャネルを変えるということです。同じ車両でもニーズと層と流入経路が大きく違うので、そこはビジネスとしてうまくやっていきたい。来年以降は国内需要は減速すると思うのでインバウンドにも対応していきたいと考えています。

-ホテルにしろ、タビナカにしろ、インバウンドと国内旅行者へ価格を変えていこうという流れも最近よく聞きますね。

大下 私も変えるべきだと思います。オペレーションや車両への設備投資が必要となることを考えても、多少の価格差はむしろ当たり前だと思っています。

-ビジネスをやる中で北海道と沖縄での違いは感じますか。

大下 実は、私自身は沖縄へはコロナ禍の間に新事業の模索をしている中で初めて来ました。レンタカー事業を始めて驚いたのは、お客様の沖縄旅行に対する期待感は高く、この旅行にかける思い、意気込みがすごいということです。

 たかだかレンタカーではあるが、旅行の数カ月前から色々なご相談を受けることが多いです。「このルートで問題ないか?」「時間が変わりそうだが大丈夫か?」など。元々航空券販売事業をしていた際はそのようなことはあまりなく、想定外ではあったが、他社との差別化、そしてなによりお客様に安心して利用していただけるよう、出来る限り丁寧に接客対応するチームを作っています。今のメンバーはみんな接客業経験者でプライドを持ってやっている人達なので、お客様の満足度も高くなっています。

HANDYMAN
HANDYMAN ウェブサイトより
-その分人的コストがかかるのでは?

大下 もちろん、主に時間・人的コストはかかりますが、お客様が求めていて、同業他社が提供していないことを行い、コストセーブや価格設定で事業性も確保していきたいと思っています。

-なぜ沖縄旅行に対する熱量は高いのでしょうか?

大下 色々考えましたが、東京の浅草に旅行に行くにしても、現地のオリジナルTシャツを着て空港に降り立つなどあり得ません。札幌でも熊のTシャツを着てくる人はいないですよ(笑) でも、沖縄にいると若年層やカップルがオリオンTシャツを着て一日中行動するなど、客観的に見たら不思議な光景だと思います。僕らの解釈としては沖縄は「近場のハワイ」。そのリゾートに対して、数十万円をかけて生涯に一度しかないかも知れないビッグイベントとして子供も連れて来る親御さんとしては、「成功させたい」という意気込みを感じます。子供に良い思い出を残してあげたい想いの強さですね。

-今年ビジネスの立ち上げを行い、初めて繁忙期・閑散期を経験して感じる課題は?

大下 大手以外の事業者は連携しておらず、各社がバラバラで動くので空港周辺に渋滞が起こるのはピークシーズンの課題だなと思います。オフシーズンに関しては集客が一番深刻な問題。とは言え、11月の実績を見ても工夫すればどうにかできると実感しており、まだまだやれることはあると思っています。今までの流れを教科書とせずに、他のビジネスでやってきたことを参考に取り込んでいけばオフシーズンでもインバウンドも含めて一定の集客は可能だと思っています。

 現在事業拡大フェーズに入っているというのもありますが、実際7月よりも11月のほうが倍以上忙しいです。年内50台、来年100台を目指して事業を拡大をしているところです。