那覇国際通りに新規開業した「Southwest Grand Hotel」、沖縄の新しい旅の形を提案

  • 2023年7月13日
-Southwest Grand Hotelに宿泊したゲストに楽しみにしてほしいポイントはどこでしょうか。

宮崎 個人的にも旅行の一つの楽しみは地元の人に接客されることだと思います。言葉一つとっても「沖縄来たなあ」と思っていいだけることも大切だろうと。そのため、地元の採用に力を入れています。

 また、那覇のホテルでは、団体のニーズに合わせたビュッフェスタイルの食事が多いですが、Southwest Grand Hotelでは、サービスのクオリティーを上げるためにも、お料理の魅力を伝える瞬間を大切にしていきたいと考えています。朝食はもちろんビュッフェスタイルで提供しますが、ランチやディナーではレストランで楽しんでいただきたい。

 那覇市内は小さな飲食店が多く、外食するにしてもすぐに満席になってしまうケースもあります。その点、Southwest Grand Hotelのレストランには十分な座席数があります。他のホテルに滞在の旅行者にも利用していただければと思っています。一方、Southwest Grand Hotelには中華はありません。ホテル間でお互いに送客できるような共存共栄の関係も築けるのではないでしょうか。

館内には街並みを見渡せる開放的なプールも
-ターゲット層はどのようにお考えですか。

宮崎 ホテルですので、多様性があった方がいいと思っていますが、沖縄に来てゆっくり過ごしたい一方で、都会的な利便性も求めてらっしゃるような方々になるでしょうか。富裕層の方々については、やはり時間をお金で買っている部分もあると思いますので、那覇空港からの近さという立地条件もアピールしていくつもりです。

 那覇の人たちとお喋りしたり、沖縄の人が築いてきた文化に触れることで、那覇も歩いてるだけで楽しいなと思っていただければと思います。これまでは2、3泊で終わっていた沖縄の旅が、那覇と恩納村を組み合わせることで、1週間の滞在に延長して、「沖縄はやっぱり楽しいよね」と思っていただける新しい旅の形を提案できたらと思っています。

-インバウンド市場についてはいかがですか。

宮崎 今後力を入れていきたいと考えています。現在のスタッフの3割ほどはすでに英語での対応が可能です。沖縄の特徴として、英語に堪能な人が多く、また台湾留学経験者もいるので中国語の対応も可能です。

-今後の販売ルートや集客の方法については、どのようなお考えをお持ちですか。

宮崎 季節に応じて対応戦略を変えていく必要があると思っています。繁忙期は、自社のホームページからのベストレートで泊まっていただく。10月以降春にかけての閑散期では、旅行会社との協業で、ツアーや社員旅行を呼び込んでいきたいと考えています。

 また、宿泊のサブスクリプションサービスを提供している事業者との連携もあり得るのではと考ています。私たちが持ってないノウハウやアプローチを持つパートナーを見つけて、最終的には同じ価格で販売できる仕組みを作る必要があると考えています。

-稼働率の目標は設定されていますか。

宮崎 今年については最低60%以上。来年の繁忙期には常に80%以上稼働できればと思っています。ただ、私たちとしては稼働率よりもRevPARをどうやって維持していくかを重視しています。部屋あたりの単価を下げずにどうやって稼働率を上げていくか。それはどのホテルさんも取り組んでいらっしゃいますが、88室しかない小さいホテルだからこそ、そこにこだわり続けない限り、先はないなとは思ってます。例えば、稼働率40%でも、しっかりと利益が出せる運営を今年中に作り上げていきたいと思っています。

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