エミレーツの2022-2023通期業績 利益は過去最高記録
エミレーツ・グループが、2022-2023通期業績を発表した。グループ全体としては30億米ドルの利益を計上し、10億米ドルの損失を記録した前年から利益と売上高が大幅に回復し、過去最高を達成した。
売上高は前年比81%増の326億米ドルとなり、これは世界的な旅客需要の増加と共に、ほぼすべての渡航制限が解除されたことが影響したと考えられる。また、これによりエミレーツ・グループは、コロナ禍で蓄積した38億1700万米ドルの負債を一部前倒しで返済した。
エミレーツ航空としては11億米ドルの損失を記録した前年に対し、当期は過去最高の29億米ドルの利益を計上した。売上高も前年比81%増の293億米ドルで、グローバルネットワークの回復と旅客便増便が影響した。当期にエミレーツ航空は、テルアビブへの就航を始めとし6空港への再就航と62都市への増便を行い、3月31日時点で、貨物機のみ運航する9都市を含む6大陸150地点へサービスを展開している。また、フラッグシップ機であるエアバスA380型機のネットワークは43地点まで拡大している。
エミレーツ・グループの航空業務会社として、世界各地域で空港オペレーション事業や機内ケータリング・小売事業などを手掛けるdnataの当期利益は前年3000万米ドルから9000万米ドルに、売上高も前年比74%増の41億米ドルとなった。この成長に関してはUAEおよび世界の各事業部門がコロナ禍から回復したためと分析されている。
エミレーツ・グループおよびエミレーツ航空の会長兼最高責任者であるシェイク・アハメッド氏は「エミレーツ・グループが当期過去最高の業績を計上し、そして、貨物や旅行サービスを含めた航空市場全体の復興に貢献できたことを誇りに思います。中でも、2022年のドバイの外国人観光客が前年比97%増を記録したことは驚異的でした。エミレーツ・グループは、77万人以上の雇用を抱え、470億米ドル以上をGDPに貢献していると推定されていることから、UAEの航空市場における最大かつ重要な企業です。当社の成長計画およびドバイ経済アジェンダ(D33)に基づき、直接的・間接的雇用、サプライチェーン支出、観光支出、貨物の輸送による貿易・通商の利益向上を実現することで、今後10年の間にUAEのGDPへより一層貢献できると考えています。」と述べた。