タイ北部で深刻な大気汚染 政府が警戒呼びかけ、観光業に打撃
[チェンマイ(タイ) 10日 ロイター] - タイ北部の都市チェンマイとその周辺地域で大気汚染のレベルが高まっている。政府は屋外活動を避けるよう住民に警戒を呼びかけており、観光業にも影響が出ている。
タイ第3の都市チェンマイは先月、汚染度合いを示す大気質指数(AQI)が数週間にわたりパキスタンの都市ラホールやインドの首都ニューデリーを抜いて最高最高レベルに悪化し、一時289まで上昇した。4月10日は171に下がったが、依然として世界保健機関(WTO)が推奨する水準の19倍となっている。
当局は国内や近隣諸国での森林火災や、作物を燃やす野焼きが原因としている。
風光明媚な景色や寺院で知られるチェンマイには、新型コロナウイルスのパンデミック前の2019年には1080万人もの観光客が訪れていた。しかしタイの観光業界団体によると、ホテルの予約率はソンクラーン(タイの旧正月)の連休を控えたこの時期にもかかわらず45%と、想定の80─90%を大幅に下回っている。
保健省は10日、屋外での活動を避け、大気中の微細粒子を除去できる機能を備えたマスクを着用するよう市民に呼びかけた。