客室・経営企画・経理…計7つの課を経験、The Okura Tokyo 西彩水さんに聞く バックオフィス業務の魅力
オークラに入社して16年で、出産もあったことから7つの課を経験してきた西彩水(あやみ)さん。ホテルの仕事の華々しいサービス業務(フロントオフィス)ではなく、バックオフィスの業務に興味を持ち、陰ながらホテルを支える縁の下の力持ちのような存在。オークラブランドは、日頃、お客様の前には顔を出さない西さんのような人達に支えられていることは言うまでもない。
西彩水さん(以下敬称略) そうなんです、子供を3人産んでいるので、それが理由でもあります。順を追って経歴についてお話しさせていただくと、大学を卒業して2007年に入社しました。最初は客室課、次にレストランのキャッシャー担当、経営企画室、その後2011年に1人目の子を妊娠・出産しました。復職し、顧客課、経理課を経験。2015年に2人目を出産し、育児休暇から戻り、監査室に4年ほどいました。2020年に3人目を出産して、再度復職し、今の管理部 施設課です。いろいろ渡り歩いてきました(笑)。
西 入社後、最初に配属された客室課では、ベッドメイク、客室清掃は基本的に協力会社さんがやってくださるので、「次はこの部屋をやってください」など指示を出す、フロア管理をやっていました。「今日はこういうお客様がくるから、こういう対応をしてください」とか「この部屋はチェックアウトが何時だから、こっちの部屋から先に清掃をやってください」とか。
仕上がりもオークラの名に恥じぬよう、厳しくチェックしました。仕上がりが上手くできていないときは、何度もベッドメイクをしてもらったこともあります。毎日いかに綺麗に効率よく仕上げるかに集中していました。うまくできた時は本当に達成感があるんですよ。 この客室課において、クオリティーはもちろんですが、効率よく作業をすることを叩き込まれました。ここで覚えたことが主婦になり、母になり、家事、育児をいかに効率的にやるかというところに通ずるものがあるんです。なので普段の仕事、家事、育児においてもいかに効率よく動くかを常に考えていますね(笑)。
西 いえ、普通の四年生大学です。ホテルに興味を持ったきっかけは、学生時代にホテルのフロントで夜勤のアルバイトをしていたことなんですよ。出身は地方で、大学への進学のタイミングで上京しましたが、家庭の事情もあり奨学金と自分のアルバイトで、家賃と生活費をやりくりしなければいけなくて…。本当に苦学生で、お金に困っていたんです(笑)。
西 とにかく時給がいいアルバイトを探していたら、ホテルの夜勤に辿り着きました。確か当時、女性で夜勤をやっていたのは私1人でした。でも仕事は本当に楽しかったんです。たぶんこういう話になると、接客が好きで楽しかったという話になると思うんですけど、そうじゃないんです。もちろん接客も好きでしたけど、会社ってこういう風に回っているんだなということが単純に面白くて。お客様の宿泊の支払い方法も、現金、クレジットカード、売掛など、団体のお客様はまた違う会計方法があったり。お客様からいただいた宿泊代をこうやって処理しているんだなと。
ホテルは接客のイメージが強いですけど、私はどちらかというとホテルのバックオフィスの仕事に興味があって。フロントオフィスの接客という華々しい部分がありながらも、ホテルは会社であり、企業であり、一般企業のようにバックオフィスがある。そのフロントオフィスとバックオフィスのギャップが面白いなと。それで志望業界をホテルに絞り、就職活動をしました。