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「だけじゃない」英国の魅力、グルメや新オープンの蒸留所など視察レポート

  • 2023年2月20日

新蒸留所誕生、ジョニー・ウォーカーの新施設も

 続いてはスコットランドの新しさを感じる要素を紹介しよう。ウイスキー関連では、まずスコットランドの中央、英国最大の国立公園「ケアンゴームズ国立公園」の北端に昨年誕生したばかりの「ザ・ケアン蒸留所」を訪問した。1895年創業の老舗インディペンデントボトラー(蒸留所から原酒を調達し独自のボトルを生み出す業者)である「ゴードン&マクファイル」が自ら科学的なウイスキー造りを目指して立ち上げたもの。

ザ・ケアンでは蒸留など多くのプロセスをコンピューター制御で進めている

 2022年9月に開業したばかりのためザ・ケアン独自のボトルは最初のリリースが2034年とかなり先だが、テクノロジーを活用したウイスキー造りについて学ぶことができる。

ザ・ケアンではゴードン&マクファイルの歴史を感じさせるオリジナルのブレンデッドウイスキーの試飲や購入が可能

 また、エジンバラでは2021年に完成したばかりの「ジョニーウォーカー・プリンセスストリート」も訪れた。1.85億ポンド(約300億円)も投じて完成した8階建ての施設では、ウイスキーの香りや味わい、色味が誕生する秘密を分かりやすく学べるほか、800以上のフレーバーを組み合わせるウイスキーの楽しみ方も。

ジョニーウォーカー・プリンセスストリートでは眺めの良いルーフトップバーも魅力

 このほか、湖水地方でも「レイクス蒸留所」を視察。2014年にバセンスウェイト湖畔に誕生した蒸留所で、自前のウイスキーを発表しはじめてすぐに世界的コンテストで最高賞を獲得したシンデレラストーリーを持つ。湖水地方の水で作られる製品にはジンやウォッカもあり、ショップのボトルも種類、サイズ、価格とも様々なのでお土産選びが楽しい。

レイクス蒸留所。世界一の評価を得た「No.4」はもう残っていないが、次の「No.5」など様々な商品が購入できる

サステナブルな寝台列車も体験

今回は2段ベッドのClub Roomを利用したが寝心地良好。グラスゴーやエディンバラ、アバディーンなどへの路線も利用可能だ

 ロンドンからの交通手段も、これからの時代に適しているという意味で新たな要素だった。寝台列車「カレドニアン・スリーパー」を利用したもので、インバネスまで約11時間半の道のり。「起きたら目的地」はやはり便利だ。専用シャワー室も付いていて、今回はあいにく自分の車両だけ温水が出なかったが鉄道会社によるとこうしたトラブルは稀とのこと。食堂車もあり、欧州ではサステナビリティの観点で鉄道の再評価が進んでいることからも要注目だ。

BAは次の夏ダイヤから日本路線を週11便とする予定。英国は航空輸送のサステナビリティにも大きく力を入れており、ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)もすでに昨年から一部便でSAF(持続可能な航空燃料)の利用を開始している