「BtoBのスペシャリストに」 エス・エム・アイとの統合も—ワールドコンパス社長根来勇人氏
航空会社GSA事業とランドオペレーター事業の2本柱で
世界で提携ネットワークの拡大に意欲
航空会社のGSAやランドオペレーターなどの旅行関連からEC事業まで幅広いビジネスを展開するワールドコンパス。コロナ禍で旅行市場が停止していた期間も積極的に新規事業に臨んできた。事業の柱となるのが旅行会社とのBtoB取引で、アウトバウンド、インバウンドとも市場が動き始めた2023年、将来を見据えて、どのような未来図を描いているのか、同社社長の根来勇人氏に聞きました。
-ご自身とワールドコンパスの自己紹介をお願いします。
根来勇人氏(以下敬称略) 大韓航空、オーストリア航空、ブリティッシュエアウェイズを経て、モルガン・スタンレー証券に転職し、その後、2010年からはエティハド航空の日本就航に伴い、日本支社の創設を担いました。エアライン畑が長い職歴です。
そのなか、以前より起業意欲を持ち続けており、2016年に会社経営・新規事業を行うために、航空会社・ホテル販売などのGSAの事業会社及びランドオペレーターの事業会社を承継し、2019年に事業を統合しワールドコンパスに社名を変更しました。
-中核のGSA事業についてお聞かせください。
根来 現在はタイガーエア台湾、ベトジェットエア、タイベトジェット、ロイヤルブルネイ航空に加えて、6月28日から日本に就航するヴァージンオーストラリア航空の総代理店も担います。今後も外資系航空会社の新規乗入れや、日本でのビジネスを展開したい海外サプライヤーのGSAのエキスパートとしてビジネスを拡大していきたいと考えています。
航空会社がGSAを置くことのメリットとしては、スピード感をもって日本でのビジネスが展開できることと、コスト管理がしやすいところにあります。しかしながら、売上をあげることが最大の目的であり、そのために優秀な人材を揃えなければ、長期契約に結びつかないというリスクがあります。
-もう一つの柱であるランドオペレーター事業についてお聞かせください。
根来 旅行業界でランドオペレーターの重要性は大きいと考えています。弊社を利用して頂くためには、手配、サービス、ネットワーク、クオリティを整え、料金に見合うサービスを提供しなければなりません。
弊社はBtoBのスペシャリストを目指すべく、新たな事業展開としてカンボジア王国観光省の日本事務所、レイルヨーロッパの販売代理店契約を結び、アメリカ最大手のOTAと連携し構築したホテル予約販売システム「HoteCo(ホテコ)」の販売を開始しました。
これまで欧州とエジプトを中心に展開してきたビジネスに加え、ネットワークを広げるために、昨年、7月に東南アジアや インバウンドの地上手配を中心に展開するランドオペレーターの「エス・エム・アイホールディングス」と業務提携を結び、11月にはドバイの「アラビアンアドベンチャー」の日本オフィスとしての業務も開始しました。3月にはヨーロッパのランドオペレーターのPSGジャパンを事業承継致します。
現在のところ、70カ国以上で契約を持っていますが、これからもグローバルで事業展開を進めていく予定です。
次ページ >>> エス・エム・アイとの統合も視野に