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モバイルファーストとオールインワンでシェア拡大、グローバルOTAが見る日本市場-Trip.com勝瀬博則氏

 世界38ヶ国・地域で数億人を超える会員にサービスを提供するグローバルOTAのTrip.com。同社の日本法人Trip.com International Travel Japanでは、国際往来が途絶えたコロナ禍中は日本の国内旅行に注力し、存在感を高めてきた。代表取締役の勝瀬博則氏に今後の見通しや他OTAとの差別化戦略を聞いた。

勝瀬氏。インタビューはオンラインで実施した

-コロナ禍以降、現在までの状況をお聞かせください。

勝瀬博則氏(以下敬称略) コロナ禍で海外のお客様が日本に来られない状況が続くなか、当社では国内のお客様へのリーチを高めています。最近では全国旅行支援の影響も大きく、初めてTrip.comを利用される方も増えており、国内旅行の取り扱いは2018年度と比較すると7倍になりました。

 インバウンドについても、昨年10月の水際対策の緩和後、10月から12月の海外から日本へのフライト予約数は4倍、ホテル予約数は6倍に増えました。

 アウトバウンドについては、韓国やタイ等は比較的順調で、ハワイ、シンガポール、台湾なども戻りつつあります。しかしフライト数が少ないこと、日本のお客様が海外旅行に対しては慎重な状況が続いていることが妨げになっているのと感じています。

-今後の旅行需要の予測をお聞かせください。

勝瀬 個人的な見解では、フライト数が戻らなければお客様の数も当然ながら増えないと思っています。日本は島国なので、アクセスが確保されないことには出国できません。需要があって供給がくるのではなく、まず供給があってから需要が付いてくるという傾向が海外旅行にはあります。そうでなければ価格も下がりません。

 航空会社の増便や価格改定の申請は年に数回行われます。次のタイミングは3月末頃だと思うので、フライト数が増えて料金が下がり、供給が安定するのが3月末から4月初めにかけてになるでしょう。この時期からまず一段需要が増えるのではないかと見ています。その次は8月頃なので、ここでさらに需要が増えてくるのではないでしょうか。

-日本の国際往来がコロナ前の水準に戻るとするといつ頃と見ておられますか。

勝瀬 インバウンドとアウトバウンドは非常に関係が深く、便数が増えれば日本に入ってくる人も増え、海外に行く人も出やすくなります。急激に2019年のレベルに戻ることはないですが、訪日旅行者も増え、日本人も海外に行った人の話を聞いて「じゃあ私も」と考える方も増えると思います。

 全ての商品にはアーリーアダプターがいます。今旅行しているのはアーリーアダプターの方で、その後にマジョリティの方が続く。そのときの回復のカーブは急です。今年は比較的緩やかに回復し、あるきっかけが来ると一気に伸びるでしょう。そのタイミングを予知することはできませんが、急激に回復することになると思っています。

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