itt TOKYO2024

料理人から客室清掃へ、ホテルスプリングス幕張 石田遼太郎さんに聞く客室清掃の仕事

  • 2023年1月30日
-客室清掃のリーダーって気を使うことも多いと思いますが慣れましたか?

石田 まだ1年も経っていないので、まだまだだなと思います。ただ、僕のできる限りの力ではやっています。お客様のことを想像して、気分良く寛いでもらいたいので。シーツもシワのないように仕上げたいですし、水回りも綺麗に仕上げるようにしています。その分、チェックも厳しくなってしまいます。

-プライベートの旅行で泊まった宿のベッドメイクとかも気になりますか?

石田 気になるんですよ、職業柄。以前、友達と伊豆の方に旅行に行った時に、どんな風にベッドメイクしているんだろうと、気になってしまって(笑)。そう言えば先日、沖縄のホテルにヘルプで1週間行く機会がありまして。ベッドも最新のベッドですし、いろいろ勉強になりました。やったことないベッドだったので、最初現地のスタッフが1日つきっきりで教えてもらったんですけど、全然できなくて。もう悩んで悩んで、なんとかできるようになりました。

-それはいい経験をしましたね。話は変わりますが、今客室清掃する方が不足していると聞きますが、実際はどうですか?

石田 確かにそうかもしれません。ウチもギリギリの人数、いや足りていないくらいかもしれません。この客室清掃スタッフ不足にはいろんな問題が絡んでいます。例えば、1日8時間労働にした場合、客室清掃は午前9時に出勤して、午後2時までに終わらせなきゃいけない。でもその後、午後3時から6時までは何するの?とか。なのでパートタイマーさんに頼らざるを得ない。ただこの時間帯にハマる人が少ないんですよ。学生さんも授業がありますからね。それじゃあ、人を集めるためにパートさんを皆社員にして採用していったら、賃金が足りなくてホテルがもたなくなってしまいます。レイトチェックインというプランで対応している宿泊施設もありますが、それも対処法であって根本的な解決にはなりません。

-それじゃあ、スタッフに「辞めたいんですけど」なんて言われるとショックですよね。

石田 すごくショックですよ。「話があります」なんて言われるとドキッとします(笑)。

-そうなると、スタッフに厳しくできなくなっちゃうんじゃないですか?

石田 普段からあまり態度を変えず、基本は優しく接して、駄目な所は駄目というように心がけています。

-最後になりますが、今後の展望は?

石田 やっぱり誰でも働きやすい環境にしたいとは思っています。教え方も丁寧にするように心がけています。それと、この仕事は裏方で、地味に感じる方もいるかもしれないですが、実は1日1日終わった時の達成感がめちゃくちゃあるんです。1部屋1部屋は個々で作業をしているかもしれないですが、実は個人の仕事ではなくてチームプレイで行っているんです。皆でフォローしながら無事チェックイン時間前までに綺麗な状態で提供できた時には、本当に達成感があります。ぜひ1度その達成感は味わっていただきたいものなので、いつでもお待ちしています(笑)。

-ありがとうございました。



撮影/映美 取材・文/浦澤 修