料理人から客室清掃へ、ホテルスプリングス幕張 石田遼太郎さんに聞く客室清掃の仕事
元料理人、現客室清掃のリーダーとの経歴を持つホテルスプリングス幕張の石田遼太郎さんは「客室清掃は日本料理と似ているんです。制限時間がある中、綺麗な状態でお客様に提供するところが」と語る。生き生きと仕事をしている石田さんの姿を見て、総支配人も思わず、全社員向けの社内メールで彼の仕事ぶりを取り上げたほど。今回はその石田さんに客室清掃への想いを語ってもらった。
石田氏(以下敬称略) 今は客室清掃のリーダーをやっています。実は僕、元々は料理人だったんです。16歳でこのホテルに入社して、日本料理、宴会料理、中華料理といろいろやらせて頂きました。とくに日本料理の板長にはいろいろなことを勉強させてもらいました。その後、とある事情から那須の宿に出向して、そちらの運営をしたりしてましたが、冬の時期はクローズになるので、その間はホテルスプリングス幕張に戻ってきて、料理ではなくパブリックの掃除を担当していました。
数年後、またホテルスプリングス幕張に戻ってきて、日本料理の料理人をやっていました。ただ2019年辺りからレストランのホールが足りないということで、そちらで仕事することもありました。料理人がホールに?って思われるかもしれないですが、正直、とくに不満はありませんでした。経験したことないことですし、ホールの仕事も覚えられれば自分の力にもなりますので。料理人だった頃は、お客様と直接触れ合うことがなかったので、ホールを担当するようになって、お客様と触れ合うことができ、そこが楽しかった所です。
石田 客室清掃の担当になったのは、2022年2月頃です。コロナの影響もあり、レストラン自体がクローズになってしまったので。実は先ほどお話した那須でもベッドメイクや客室清掃はやっていたので、そこまで不安に思うことはありませんでした。それよりも「お願いされたことは進んでやった方がいい」「使ってもらえるだけありがたい」という考えがありまして。これは日本料理時代の親方に教わったことで。今でも大切に心に留めています。
それと、日本料理と客室清掃ってどこか似ているんですよ。お客様のために綺麗に早く仕上げる所というか。
石田 今は朝、メイドさんの割り振りと、新人さんが仕上げたお部屋のチェック、リネンの発注、シフト作りですかね。実は割り振りが結構大変です。部屋タイプも複数あるので、その部屋をやったことがある人とやったことない人をペアにして、教えながらやってもらったり。人ぞれぞれのレベルやスピード、経験を考慮していかないといけないので。ただ、人が足りない時は僕が仕上がりのチェックをしながら、3部屋とか4部屋の清掃をすることもありますよ(笑)。専業主婦の方も多くて、わざわざ来てもらっているので、僕に時間があれば水回りのお手伝いしてあげたり。