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現場目線の予約システムを追求、宿泊者と施設の高度なマッチングを目指す-CHILLNN永田諒氏

 2021年1月より本格稼働したCHILLNNは、ホテルプロデューサーとして知られる龍崎翔子氏とエンジニアの永田諒氏が立ち上げた宿泊予約エンジンだ。宿泊施設の世界観を重視し、本質的な宿づくりと経営を支援するシステムを強みとしてコロナ禍中にも導入施設を増やし、直近では10月に全国旅行支援のチェックイン手続きを軽減する機能をリリースした。「ホテル事業から得られた知見を宿泊業界に還元していきたい」と語る永田氏に話を聞いた。

永田氏。インタビューはオンラインで実施した

-はじめに事業の概要とご自身のご紹介をお願いいたします

永田諒氏(以下敬称略) 宿泊予約エンジンを提供するCHILLNNでCTOを務めています。

 東京大学在学中から、大学の先輩らの起業したブロックチェーンやAIを専門に受託開発する企業で働いていました。そのなかで、プロダクトを作って終わりではなく、その後成長させていくことを経験したいと感じていました。その頃、大学で仲の良かった龍崎から「宿泊業界の課題をシステムで解決したい」という話を聞き、自身もプロダクトを通して成長を経験し、宿泊業界に貢献できたらと思い、卒業を機に2018年にCHILLNNを設立しました。

 2019年4月頃から開発をスタートし、2020年から1年ほどベータ版の形でサービスを提供した後、2021年1月に本格的にサービスをリリースしました。本社は京都で、私も現在京都に住んでいます。

-宿泊予約システムは多数存在しますが、CHILLNNの特徴や導入のメリットは何でしょうか。

永田 最大の特徴は、我々が元々ホテル事業を行っており、そこで得た経験や課題感を軸に開発したという点です。どの宿泊予約エンジンよりも現場目線、宿泊事業者目線のシステムだと思っています。当社のカスタマーサクセスのチームもホテルスタッフをしていた者を中心に構成しています。また、私たち開発チームは系列会社のホテルスタッフと同じコミュニケーションツールを使用しています。そこから現場で起きている課題やクレームを直接知ることができ、それを解消するシステムを作っているので、痒い所に手が届くサービスになっていると自負しています。

 宿泊施設様には「客層とADRを高められる」という点を特に評価していただいています。この2つを高めるには、お客様に事前にしっかりと施設のことを知ってもらうことと、施設が提供する理想の体験を楽しんでいただくことが必要だと思っています。CHILLNNには、施設が持つ独自の世界観やコンセプト、そこでどのような体験を楽しめるのかなどを予約サイト内で伝えていく機能があります。施設の世界観やブランディングに寄り添うだけでなく、例えばサウナやバーベキューの施設、オーナーお薦めのカフェや居酒屋など、付随する体験の情報も柔軟に提供できます。ですので、「泊まる」以外の機能も持っている施設との相性が特にいいのではないかと思っています。

-特に中小規模の施設ではブランディングやホームページの作成に時間をかけられない場合もあると思います。
CHILLNNを導入するtoggle hotel suidobashiの例

永田 当社は関連会社でホテルを運営する「水星」と共に事業を行っています。そのなかに宿泊施設の開業やブランディングを支援するコンサルティング事業部があり、その事業部と連携しつつ最初のコンセプト設計やお客様への訴求軸をどう作っていくかというところから伴走させていただいています。昨年は事業再構築補助金もあり、異業種から宿泊業界に参入された方も多かったので、そこでもご活用いただいています。

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