【上海現地レポート】稼働率の低下に悩むホテル、新たな提携先は

  • 2022年11月9日

 新型コロナウイルスの流行が度々繰り返され、観光産業の回復が困難であることは紛れもない事実であり、2022年10月の国慶節ゴールデンウィーク中は、昨年に比べて観光客数や各地の観光収入が激減することが予想されていました。一方で、今年の下半期は上海での新型コロナウイルス流行制御のため、高級民宿、カントリーリゾートホテル、フライングディスク、サイクリング、カヤック、その他のこれまでの休暇の過ごし方にはなかった新しい遊び方が人気になっています。長距離移動を伴う観光は低迷していますが、ローカル観光は活況を呈しています。

 かつて、ほとんどの人の旅の目的は新鮮さ、遠く離れた場所で別の生活を体験することでした。残念なことに、新型コロナウイルスの予防・制御のための規制により、長距離旅行は贅沢で特別な体験となってしまいました。そして、ローカル旅行が徐々に海外旅行や遠距離旅行に取って代わり、昨今の主流は遠距離観光から近距離のディープな旅行へとシフトしてきました。

スポーツウェアブラントとホテルの提携が続々と

 今年から、スポーツウェアブランドとホテルの深い融合という新しい形が生まれました。FILAはハイアット ホテル グループと提携して「FILA HOUSE」を上海に建設し、2024年にオープンすることを発表しました。Arc'teryxやSalomonも次々とホテルとの提携を発表し、新たなテーマホテルを建設します。

 ホテルはスポーツウェアブランドとのコラボレーションによって同じ目的地の他のホテルとの差別化を図ります。一方スポーツウェアブランドは消費者の長期滞在の場としてホテルを提供し、その地でのアクティビティを提案・共有することができます。結果的にほかの都市の店舗とは異なる効果を得ることができます。

 ソンツァム シャングリ・ラ リンカは、2階のスペースをArc'teryxのテーマとし、デザインにArc'teryxの要素を追加して、顧客サービスを提供、さらに登山教室を開催しました。アクティビティでは、屋外のハイキングコースもホテルと共同で設計しました。The Yun Salomon Hotelでもパブリックスペースはもちろん、客室のいたるところにSalomonの歴史や製品が展示され、Salomonのスキー板が室内のテーブルや椅子に使用されています。同様に、公共スペースもさまざまなイベントを開催するために使用されています。

The Yun Salomon Hotel

 高級ホテルは公共スペースが非常に充実しており、ホテルを満室にするためにスポーツウェアブランドが参入することが非常に有益です。ホテルは新型コロナウイルスの流行以来、稼働率が下がり、投資を誘致することが困難になっていました。スポーツウェアブランドはブランドのプロモーション、または単に商品を販売するというためで、これはウィンウィンの協力です。

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