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フィンエアー、羽田線に新規就航、共同事業の乗り継ぎ需要に期待

  • 2022年11月2日
トゥルティアイネン氏(左)と永原氏(右)

 フィンエアー(AY)は10月31日、新たに羽田/ヘルシンキ線を開設した。同路線は当初、2020年3月の就航を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期していた。AYでは2022年冬期スケジュールで羽田線を週7便、成田線を週2便、計9便を運航する。11月1日にフィンランド大使館で開かれた会見で、AY日本支社長の永原範昭氏は「熱望の羽田便がスタートした。羽田に就航することは航空会社にとって本当に価値のあること。これまで運航していた大阪、名古屋、福岡、札幌も当面は羽田便をご利用いただくことでマーケットをカバーしていきたい」と語った。

 ロシアのウクライナ侵攻の影響により、日本/ヘルシンキ間はこれまでより40%近く長い飛行時間を要している。加えてスケジュール調整で日本の駐機時間も変わり、2機分の機材が必要となっている。AYのマーケットマネジメント担当バイスプレジデントのミッコ・トゥルティアイネン氏は「営業担当としてはもっと飛ばしたいが、マーケット環境や世界情勢を鑑み、会社全体として運航計画を立てている。現時点では9便が日本マーケットに提供できる最大限の便数だ」と状況を説明した。

 一方でトゥルティアイネン氏は、東京の2空港について「羽田は都心に近いという便利さに加え、共同事業を展開する日本航空(JL)の国内線ネットワークを使って日本全国から乗り継ぎ需要を期待できる。成田は過去に最大ダブルデイリーで週14便飛ばした実績もある。成田も羽田に劣らず強い意味を持つ空港だと思っている」と評価。永原氏も「関東エリアの西と東で、お客様にとって利便性の高い方を選んでいただけるのではないか」と期待を示した。

羽田線は新仕様のキャビンで運航

「リクライニングしない」ビジネスクラスの新シート

 AYは今年2月、キャビンのリニューアルを発表した。ビジネスクラスでは「エアラウンジ」というコンセプトで、新たにリクライニングしないシートを採用。同社としては初となるプレミアムエコノミーも導入した。エコノミークラスもリニューアルし、エンターテインメントシステムも刷新した。羽田/ヘルシンキ線は新仕様のシートを搭載したA350で運航される。

 トゥルティアイネン氏は「全キャビンに対し、北欧の雰囲気を醸し出すことを根底のコンセプトとして考えている。マリメッコのテキスタイルやイッタラの食器をふんだんに使い、北欧の温かさ、歓迎の雰囲気を演出している」と説明。ビジネスクラスについては「導入前には様々な質問があった」そうだが、導入して半年が経った現在、搭乗者からの評価は非常に高いといい、「背もたれが倒れないというのは想像がつかないと思う。是非ご自身で乗ってみてほしい」と語った。

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