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オレゴン州観光局、ガイド活用したプログラム強化 日本市場へはBtoB向けのキャンペーンを

  • 2022年9月29日

 先日開催されたツーリズムEXPO2022の際に来日した、オレゴン州観光局(Travel Oregon)グローバルセールスディレクターのGreg Eckhart氏とオレゴン州南部観光局(Travel Southern Oregon)ディレクターのBob Hackett氏が現地の最新情報や今後の見通しなどについて語った。

左から、Bob Hackett氏、オレゴン州観光局日本事務所の松永氏、Greg Eckhart氏

 オレゴン州観光局は、オレゴン州の観光市場がコロナ前の2019年レベルまで回復するには2024年もしくは2025年まで要すると見ており、2025年のオレゴン州での日本人観光客消費額は7000万USドルを予測しているという。また今後のプロモーションとしてはコロナ前のマスマーケティングから、アウトドアアドベンチャーなどテーマ毎の旅行スタイルを打ち出すプロモーション手法への転換を進めており、実際にオレゴン州のローカルガイドを活用したツアーを推進する「Whyガイドプログラム」や夜空を楽しむ「ダークスカイプログラム」といったものをSNSなどを通してプロモーションしている。

 「Whyガイドプログラム」についてはガイドツアーを利用することによって、安全性の確保やより深い学びを提供するだけでなく、今まであまり知られてこなかったオレゴン州南部などの人里から離れたエリアについても知ってもらいたい狙いだ。

 ただ、コロナの影響で人材不足が問題となる今、オレゴン州でもローカルガイド含め業界全体として人材不足という同様の課題が発生しているという。この課題に対しては「今業界内にいる方達を確保しておくことも大事」とした上で、「オレゴンツーリズムリーダーシップアカデミー」といった業界のリーダーを育成するプログラムを実施している。また、オレゴン州南部のサザン・オレゴン大学ではサステナブルツーリズムに関する授業を行っており、若手の育成にも注力している。

 その他コロナによる影響として、2020年と2021年の夏季シーズンに自然豊かなエリアへの旅行を求める観光客が増加したことにより、一部の地域に観光客が集中するオーバーツーリズムに関する問題が発生したようで、今後は住民と観光客双方が幸せであるかという点も重要であると語った。この問題についてはガイドツアーの活用や無料駐車場の一部有償化などの対策で観光客の分散を図っている。

ツーリズムEXPO2022のブース

海外市場への期待

 続いてGreg Eckhart氏は今年にオレゴン州観光局が作成した10年計画について触れ、その中の基本方針として下記の3つを打ち出しているという。
●ヘルシーエコノミックインパクト
●サステイナビリティ
●イコーリティ

 イコーリティ(平等性)については、訪れる観光客全員が平等であるために、人種や年齢はもちろん身体的な障がいがある方へのサポートも積極的に行っていく姿勢だ。

 日本市場へは「既に受け入れの準備は出来ている」と力強く語り、「オレゴン州にはサーフィンや乗馬、登山などさまざまなアクティビティが存在するため、ある一定の年齢層のみならず、あらゆる年代の方々に楽しんでいただけるはず」とメッセージを送った。また、日本市場へは今後まずBtoB向けのキャンペーンを積極的に打ち出していくという。