「東京観光関連の補助事業の相談受け付けます」開設3ヶ月の東京観光産業ワンストップ支援センターに聞く
コロナ禍からの東京観光復活を目指して
必要に応じアドバイザーとしての専門家も派遣
東京都と東京観光財団は7月8日、観光事業者向けの経営相談や各種支援メニューの紹介を行う窓口「東京観光産業ワンストップ支援センター」を開設した。コロナ禍からの東京観光の復活を目指すため、同センターが観光事業者をどのように支援していこうと考えているのか、東京観光財団・観光産業振興部次長兼観光産業振興課長の田中正氏に伺った。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
田中正氏(以下敬称略) 4月に東京都から東京観光財団に出向してきました。これまで観光に直接的に関わったことはありませんでしたが、仕事として携わった地方連携推進の取り組みは、比較的近い領域でした。国が進める地方創生や関係人口づくりの一環として、東京都も日本を盛り上げるために地方と一緒に何かできないかと、いろいろな取り組みをしました。例えば各道府県へ直接訪問し、東京観光財団が行っている観光施策等を紹介したり、何かコラボレーションできるものがないか意見交換を行い、東京都と連携した観光PRの実施などに関与したことがあります。
田中 新型コロナウィルスの感染拡大により世界規模で行動制限や移動制限が課され、観光産業は大打撃を受けました。また観光のトレンドが変化し、例えば国内旅行への意識が高まったり、デジタル技術を活用した新たなサービスや新たなおもてなしが求められたりするようになりました。
こうした変化を受けて東京観光財団も、感染症対策や事業者のDX推進などについて様々な補助事業を用意したのですが、緊急対策などで補助事業が多くなったことで分かりにくくなってしまった面が否めませんでした。観光事業者にとっては、事業に最も適切な補助事業は何なのか、現在はどの補助事業を申請できるのか、補助率や補助金額の違いなどの情報が分かりづらい状況だったわけです。
そこで補助事業などの支援メニューの情報を一元的に集約し、観光事業者にワンストップで案内できるプラットフォーム機能が必要だと判断し、東京観光産業ワンストップ支援センターを開設することになりました。東京観光財団は、これまではどちらかと言えば海外プロモーションをはじめ海外向けのアクションが多かったのですが、これからは事業者支援も強化していく方針です。
田中 まずは相談してもらえれば、最も適した支援メニューを紹介します。宿泊事業者や旅行業者など各業種に適したメニューの他にも、観光関連事業者であれば幅広く使えるものもあります。例えば「アドバイザーを活用した観光事業者支援補助事業」では、外部の専門家(アドバイザー)診断によって足りない部分を分析してもらい、その助言を受けて行う新しい事業等の取り組みに関し、補助金を申請できます。こちらは補助金を使える対象経費が比較的幅広く、広告経費や機械設備導入費などにも使えるのが特徴です。なお、専門家が見つからない場合は、ワンストップ支援センターからアドバイザーを派遣することも可能です。お気軽にお問い合わせください。
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