サイパン直行便が復活、関係者の総力で維持・デイリー化へ
ユナイテッド航空(UA)は9月1日、成田/サイパン線の運航を週3便で開始した。コンチネンタル航空時代はグアムとともにサイパンにも就航していたが、合併によりユナイテッド航空となってからは初就航となる。サイパンにとっても、2018年にデルタ航空の直行便を失って2019年にスカイマークが就航するもコロナで頓挫しており、今回のUA便にかける期待は大きい。
就航にあたって成田空港の搭乗ゲート前で開催した記念セレモニーでは、北マリアナ諸島知事のラルフ・トーレス氏とマリアナ政府観光局(MVA)理事会会長のヴィオラ・アレプヨ氏、UA日本・ミクロネシア地区営業担当支社長の高橋亨氏、UA日本地区空港運営担当統括本部長のジミー武田氏らがテープカットを実施。初便搭乗率は42.8%となった。
また、MVAは前日の8月31日に東京で記念レセプションを開催。合計で100人近くが参加した。冒頭の挨拶でトーレス氏は、「日本とマリアナには歴史と文化の面で1世紀以上に渡るとても深いつながりがある」とし、その上で「今回の直行便はその深い絆を再確認させてくれるもの」と歓迎。「日本市場が再び台頭し活性化することを強く期待している」と語った。
続いて登壇した在日アメリカ大使館商務部参事官のスティーブ・ノード氏は、「マリアナは、ユナイテッド航空のフライトでいらっしゃる皆様を歓迎しおもてなしする準備ができている」と挨拶。9月7日から入国前の検査が不要になることで海外旅行需要が喚起されマリアナへの訪問者増にも繋がると期待した。そして旅行会社に対し、「皆様がこのフライトを使って新しく革新的なツアーを作り、多くの日本の旅行者をサイパンにご送客くださることを願っている」と呼びかけた。
一方、UA高橋氏は、検査だけでなく訪日外国人がビザを取得せずにFITベースで入国できるようになって初めて国境が開いたと言えると指摘。在日航空会社代表者協議会(BOAR)の議長を担う立場としても1日も早くそうした環境を実現できるようロビー活動を続けていくと語り、協力を呼びかけた。
また、まずは週3便でのスタートながら週5便、デイリーへと増やしていきたい考えを示した上で、「皆様の力が必要。是非とも路線を維持できるよう販売協力を切に願っている」と強調した。
そしてMVAのアレプヨ氏は、「この数ヶ月、我々は時間と労力を惜しまず全力でマリアナの観光復興のために取り組んできた」「日本からのお客様を再びお迎えできる日を心から待ちわびていたが、いよいよ直行便就航により願いが叶う」と喜びを表明し、デイリー化や他都市からの直行便獲得に取り組んでいきたい考えを語った。
実現に向けた課題については、「コロナ禍や円安、そして2018年に直行便を失ったことで薄れてしまったマリアナの存在を改めて印象付ける」ことと列挙。「波が寄せては引くように観光には常に試練が伴うが、私たちは日本の皆様の心の中にマリアナという存在が深く刻まれていると信じこの試練に立ち向かっていく」と意欲を示した。
なお、MVA日本オフィスでも、UA便の販売を促進するため過去に例を見ないほどの規模のインセンティブを用意するなどすでに様々な施策を展開。初便にもメディアFAMの参加者が搭乗している。