【現地レポート:イギリス】プラチナジュビリーの夏、グローバルな観光都市に戻ったロンドン
3年ぶりにバッキンガム宮殿の入場が再開
新路線「エリザベスライン」でヒースロ―から市内の所要時間が大幅に短縮
前回から約9か月、季節だけでなく様々な面で状況が変化しているロンドンから久しぶりのレポートです。
良くも悪くも変わり身の早いイギリス、4月1日からコロナの規制は一切解除となり、人々は一斉にマスクを外して様々なイベントや海外旅行を楽しんでいます。その反動で一気にまた感染者は増えているものの、3回のワクチンのおかげで重症化や死亡の確率は幸い低く、もはや普通のインフルのようです。私自身も3月に感染しましたが、今や感染したことのない人の方が珍しいくらいです。
海外からの旅行者が帰国時にPCR検査で陽性が判明するケースも散見されますが、幸い現在はコロナによる帰国延期コストは旅行保険でカバーされるようになり安心です。なお、9月からはまた新しいタイプの4回目ワクチン接種が高齢者、医療関係者から徐々に開始予定です。
そしてインバウンドは昨年の予想通り、爆発的に世界中からの旅行者が戻ってきました。我が家もこの夏3年半ぶりに日本からの友人が来訪。ロンドン公認ガイドコース在学中の私にとっては絶好の学習機会、久しぶりの友人とロンドン観光を楽しみましたので、まずは業界全般と観光地の様子を、後半はフォトニュースでロンドンが誇るジンとビールの工場見学ツアーを紹介します。
イギリスの観光産業の現状
私の通うコースの講師陣は現役イギリス人ガイドがほとんどですが、この夏は市中に出ると必ずガイディング中の講師や、先輩ブルーバッジガイド達を見かけます。過去3年分の旅行者が一気に押し寄せ、忙しすぎるという悲鳴も聞こえますが、ようやく本来のロンドン、グローバルな観光都市が戻ってきたと実感します。ロンドンから日帰りできるウィンザー、オックスフォード、バースなどの観光地も国内外からの人々で賑わっています。
一方、ロンドンも物価上昇と人手不足は深刻です。特にドライバーの不足により欧米マーケットではバスツアーが急遽ウォーキングツアーになったり、郊外も直前に列車移動になるなど変更が相次いでいるとのこと。パンデミック時の解雇やコロナ感染による欠勤に加え、イギリスの場合EU離脱に伴う欧州人の減少もあり、各観光地や博物館、ギャラリーも人手不足からコロナ以降、年中無休が週1~2日休業となったまま元に戻らない所もあります。
さらに業界待望のリバウンドは嬉しい反面、働く側にとってはカットされていた給与は100%に戻っても、新規採用なし、または求人しても応募が少なく、一人当たりの仕事量はパンデミック以降増える一方で、超過勤務と物価上昇で実質賃金は下がっている状態です。地下鉄や鉄道会社のストライキも多発していますが旅行者のためにも早い収束を期待します。
次ページ >>> プラチナジュビリーの夏